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2023年11月10日(金)第4,900回 例会

財団奨学金システムについて

塚 本    英 氏

地区ロータリー財団・奨学金小委員会
委員長
塚 本    英 

2009年大阪北梅田ロータリークラブ入会。’19年に地区ロータリー財団委員会に出向。’21年より奨学金小委員会委員長。

 地区ロータリー財団委員会,奨学金小委員会の委員長を拝命しております,塚本英と申します。宜しくお願いします。
 本日は,ロータリー財団への寄付金がいかに有効に使われているかということを説明します。まずは,ロータリー財団への皆様のご寄付で「奨学金」制度があります。そちらを紹介したいと思います。

3つの奨学金プログラム

 ロータリー財団が提供する奨学金プログラムは3つございます。1つ目は地区補助金を使った奨学金,2つ目はグローバル補助金を使った奨学金,そして3つ目が平和フェローシップによる奨学金です。
 地区補助金を使った奨学金は補助金小委員会が担当しています。私が所属する平和フェローシップ小委員会はグローバル補助金を使った奨学金と平和フェローシップ奨学金を担当しています。
 まずグローバル補助金を使った奨学金について説明したいと思います。こちらはグローバル補助金を使った奉仕事業がありまして,その中の奨学金のプログラムになります。総額で3万ドル以上,地区の活動資金,それからロータリー財団からもらう資金のマッチングブランドで,全額支給です。奨学金は学費・渡航費・滞在費などが広く対象になります。
 スポンサークラブは2660地区のクラブと留学生の渡航先でホストをしてもらうロータリークラブと一緒に申請することになります。こちらは2660地区独自のやり方があり,クラブからの拠出金は要りません。
 奨学生には申請期限があり,例えば来年派遣する奨学生は今年度中に申請する必要があります。グローバル奨学生の候補者の条件は,派遣期間は約1~2年で留学先にロータリーがある国であること。それからグローバル補助金を申請するときに入学許可証,つまり大学院に入る証拠があるかどうか。これが2024年の2月頃までに必要になります。そして受入国の言語に堪能であることも当然条件になります。
 応募資格は2660地区内に在住,在学,在職または本籍を有することです。ただし,ロータリアンとその親族,ロータリー関係に勤めている方は応募できません。今年度の募集期間は終わりましたが,募集は年度の9~10月で毎年同じです。今年度は11月1日に書類選考,11月12日に最終面接を実施して11月13日以降に合格者を発表します。

世界で活躍する奨学生

 今回,地区派遣グローバル奨学生の進路ということで,私が関わった奨学生を紹介します。後ほど動画で近況報告をしてもらいます。
 2017-18年度は,渡辺栞さん。スポンサークラブは大阪東RC。今は国連難民高等弁務官事務所に所属し,ルーマニアに駐在しています。同じ年度にバッティー亜夢斗君。スポンサークラブは大阪西南RC。国連のUNOCC(国連平和活動局情勢センター)に勤めておられます。
 2019-20年度は,上砂考廣君。スポンサークラブは茨木RC。今はケンブリッジ大学の国際開発研究所の博士課程に在学中です。この方は,実は今年度のグローバル奨学生でもあります。1回目は修士課程でイギリスのロンドンの大学に行かれて,その後ケンブリッジの大学に行きました。彼は紛争地域でフィールドワークを行っており,今はインドネシアにいます。
 2020-21年度は,百瀬雄太君,スポンサークラブは吹田RC。現在,ILO(国際労働機関)で働いています。2022-23年度は,後藤悠香さん,スポンサークラブは大阪中央RC。ロンドン大学衛生熱帯大学,キングス・カレッジ・ロンドンへ進まれました。今年卒業したのですが,ロンドン大学の博士課程に進学予定です。10月号の「マイロータリー」にメンタルヘルスを学ぶグローバル奨学生の特集で取り上げられています。

奨学生の声

 『はじめまして。2660地区で2020年にグローバル奨学生に選ばれた百瀬雄太です。ILOジュネーブ本部で社会保障担当官として働いています。経歴としては,2016年からNGOジャパンハートのミャンマー駐在代表としてミャンマーに駐在し,医療事業や視覚障害者の支援を担当しました。大阪吹田RCと一緒にプロジェクトを立ち上げたこともあり,大学院進学の際にグローバル奨学生になりたいと思っていました。
 ミャンマーで視覚障害者の雇用を促進する政策を政府と一緒に検討していた時期に政府高官に政策立案をするのですが,一度,体系的にミャンマーなどの東南アジアの国で社会的弱者を救済するための施策について学びたいと思い,2020年からシンガポール国立大学院で公共政策修士を取得しました。ここで2019年にグローバル奨学生に選んでいただきました。
 ロータリーに支援を頂き,本当によかったと思うのが現地ロータリアンのサポートだと思います。奨学生に選ばれた縁で昔からの夢だった国際機関で働くことができています。2022年1月からILOの本部で,障害者に対して社会保障を広げていく仕事をしており,最近はバングラデシュとキルギスに行きました。世界の障害者がどうなっているのか。現状を世の中に広め,国際基準をつくる仕事をしています。』
 その他にも,バッティー亜夢斗君(スポンサークラブ・大阪西南RC/オランダ大使館勤務),渡辺栞さん(スポンサークラブ・大阪東RC)ら計3人の奨学生も活躍してくれています。年次寄付と恒久基金はこのように役立っています。皆さんのご支持を宜しくお願いします。ありがとうございました。
(スライド・動画とともに)