1951年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。‘74年(株)三和銀行入行。‛84年より大日本除虫菊(株)入社。‛90年同社常務取締役。‛99年代表取締役社長。2004年より在大阪セルビア・モンテネグロ共和国(現セルビア共和国)名誉総領事。
1999年当クラブ入会。多数の副委員長・理事を歴任。2013年度幹事、‛19年度国際奉仕委員長・理事。米山功労者。
ロータリークラブは1905年シカゴにて誕生し、日本では1921年に東京でロータリークラブが創設され、大阪ロータリークラブは1922年11月に設立されました。今年は大阪ロータリークラブ設立百周年であると同時に、大阪の地にロータリークラブが発足して百周年という記念すべき年に当たります。
20世紀は「戦争の世紀」といわれ、また、COVID-19の流行が百年前のスペイン風邪の流行に重ねて語られるように、ロータリーも多くの国際的な対立や、パンデミックを経験してきました。
戦乱や疾病は社会や組織という大きな集団だけでなく、個人という小さな存在にも直接的な影響をもたらします。それでもロータリーが、幾多の混乱を乗り越え、継続することができたのは、メンバーの一人一人が普遍的な理念に基づくロータリーの精神を支え、運営してきたからだと思います。
国際ロータリー会長のジェニファー・ジョーンズさんは今期のビジョンとして、「時代が変わろうとも、ロータリーの創設者たちが推進したロータリアンの原則、つまりロータリーの中核的価値観(親睦、高潔性、多様性、奉仕、リーダーシップ)、ロータリーの目的、そして四つのテストは不変である」とし、「私たちは世界で、地域社会でそして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指しています」と述べています。
今期のRIの活動目標と、それに基づく2660地区の目標は以下のとおりです。
[今期のロータリー活動の優先的事項と目的の要約]
[上記の優先的事項に基づく2660地区の目標の要約]
ロータリークラブは、確立された世界的な組織ではあるものの、その役割や社会的貢献については、我々が思うほど認知がすすんでいません。より大きなインパクトが必要であるのはそのためであり、また、ロータリーの精神を引き継ぐ人たちを育て、参加者の基盤を広げるには、ローターアクト、インターアクトの育成を行うことが必要です。そのためには、現会員がより積極的にロータリーの活動にかかわり、理解を深めることがたいせつであるというのが、今期の活動の趣旨であると私は理解しています。
また、RIの今回の重要な行動指針としてDEIを最優先することが挙げられています。
DEIとは、Diversity(ダイバーシティ・多様性)、Equity(エクイティ・公平性)、Inclusion(インクルージョン)のことで、すべての人たちの背景、経験、アイデンティティなどの多様性を認め、公平に機会を提供し、すべての人が歓迎され、尊重され、大切にされる経験ができる場を創造することを目指しています。ジョーンズ会長は、この行動指針はこれを推奨するというより、より多くの人がロータリーを理解し活動に参加するために、この指針は有効であり必要なのだと述べておられます。
今期のRIのテーマは「IMAGINE (イマジン)」となりました。これは同名のジョン・レノンの曲にちなむ言葉です。ロータリーはポリオのない世界、やさしさ、希望、愛にあふれた平和な世界を造ることを常に「想像」し、目標としています。ジョン・レノンは「IMAGINE」の中で「君は僕を夢想家だというかもしれない、でも(その夢をもっているのは)僕一人だけではない」と歌っています。
RIがこのテーマを掲げたのは、ロータリアンにはその夢を実現する責任があり、この歌はそのための行動への呼びかけであるという気持ちがこめられています。
COVID-19の影響で、会の運営にはまだ不自由な環境が続いています。しかし、この時代に合わせ、積極的にネットに依拠する新しいリソースも使いながら、ロータリーへの理解を深め、会員の親睦、社会貢献の活動を続けてゆきたいと考えております。
当大阪ロータリークラブにおいて、90周年記念事業として策定した「宮古・大阪みおつくし奨学金」は前年度をもって一つの区切りとし、その中核の精神を引き継ぐ形で、新たに大阪の青少年育成に焦点を当てたプロジェクトを、大阪ロータリークラブ設立百周年を記念して開始したいと考えております。
なにより、ロータリーの活動が活発になるには、ロータリーが居心地の良い場所であり、その活動を楽しむことができ、活動に誇りを持てることが大切だと考えております。
この1年、皆様にはその活動を楽しみ、また多くのアイデアをご提案頂くことを期待しております。