大阪ロータリークラブ

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2022年11月4日(金)第4,855回 例会

ロータリー財団への寄付はなぜ必要か?

明 石   晃 氏

地区財団・資金推進小委員会
委員長
明 石   晃 

1996年 関西学院大学経済学部卒業。2005年2月税理士登録。’10年9月税理士法人しんか設立 同所長就任。
’17年3月大阪西RC入会
’19年7月クラブ広報雑誌記録委員長,同年7月地区ロータリー財団委員会出向,’21年7月クラブロータリー財団委員長,地区ロータリー財団資金推進小委員会委員長,現在に至る。

 (スライドで示した)イラストは,私が令和3年7月から資金推進小委員長を拝命した後,財団セミナーで発表することになり,寄付金の流れと奉仕活動のつながりが文字だけで分からないとの実感でしたので作らせてもらいました。会員から大きな矢印が下に向かっているのが寄付金の流れ。ロータリー日本財団を経由してロータリーインターナショナル(RI)に行きます。RIから2660地区(79クラブ)に矢印が流れていますが,寄付額の約50%が地区に戻ってきます。各ロータリークラブ(RC)からの補助金申請に基づいて地区から補助金が交付され,各RCの自主財源を足して奉仕活動に充てています。もう1つ,RIから2660地区とは逆に向かう矢印がありますが,これは世界での奉仕活動に使われます。具体的には,「疾病との闘い」,「地域経済の発展」,「平和の推進」,「水と衛生」,「母子の健康」,「教育の支援」となります。

寄付が奉仕活動の財源に

 昨年の2660地区の財団の収支です。ウクライナ難民への緊急支援,ロータリー平和センター,ポリオで計約10万ドルを寄贈しています。申請に基づいて交付した補助金の合計が約28万8,000ドルあり,昨年の支出は38万ドルになります。当然,収入がないと賄うことはできません。1つ目は年次基金寄付で,50%が財団に戻ってきます。2つ目が恒久基金で,使用可能な収益の50%,約3万5,000ドルが戻ってきています。3つ目は前年度からの繰り越しで約8万5,000ドルあり,合計で44万5,000ドルです。11月の財団月間にお願いする年次基金寄付が活動の財源に大きくつながってくるので,毎年毎年,ご寄付のお願いをさせていただいている次第です。
 財団寄付には,「年次基金寄付」,「ポリオプラス基金寄付」,「恒久基金寄付」,「ロータリー災害救援基金寄付」の4つがあります。10月24日が「世界ポリオデー」だったので,少しポリオプラス基金についてお話しします。
 1955年にほぼ全世界に蔓延していたポリオですが,2021年ではパキスタンとアフガニスタンの2ヵ国が,野生株が絶えず存在する「常在国」となっています。ポリオの厄介なところは,ワクチンを打ったために発症することがある点です。常在国ではないが,感染させるリスクがある,ワクチン由来のポリオが発生しているところは結構な数あり,日本に入ると日本で広めてしまう可能性があります。ワクチンは経口生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があるのですが,安全なのは不活化ワクチン。しかし,値段が高く,注射なので医療従事者しか打てない制約があります。ワクチン由来のポリオをなくすには不活化ワクチンにしていく必要があり,ポリオプラス基金への寄付をお願いしているのです。

年次は「稲」,恒久は「リンゴの木」

 年次基金寄付は「稲」みたいなイメージを持っていただければと思います。毎年,秋に実がなって刈り取り,奉仕活動に使う。それを翌年に持ち越すことはしません。全てを,今必要としている方のために使います。対して,恒久基金寄付は「リンゴの木」。豊作の年も不作の年もありますが,不作の年でも木を切ってお金に換えて活動に充てることはしません。あくまで実だけを採り,活動に充てる。使い道は一緒ですが,目的が異なります。年次基金は今の人々への支援に生かされ,恒久基金は後世の会員が末永く活動できるように元本には手を付けない。次世代へもつながっていく寄付になるのかなと思います。
 恒久基金に関しては誤解が生じてしまっているのかなと。これまでの地区目標の文言に,「各クラブベネファクターを1会員以上」というのがあります。結果どうなっているかというと,会長経験者以外は恒久基金の存在を知らない,「習慣だから,恒久基金として寄付したのか分からない」というケースが多かったのです。元々の目的が後世の会員のためだったのに,その存在を知らない。そこで,本年度の地区目標について少し改定を加えています。年次基金寄付は会員1人当たり150ドル以上,ポリオプラス基金寄付が50ドル以上は変わらず。変わったのが恒久基金寄付で,30ドル以上と設定させていただきました。増額のイメージを持たれる人が多いようですが,決して増額しているわけではありません。

さまざまな認証でお礼

 個人認証で,「ベネファクター」は「恒久基金への寄付合計が1,000ドルに達した1回のみ贈られるもの」とあります。2660地区は2回目以降も贈られるので,「寄付合計が1,000ドルに達した時点」とさせてもらっています。1,000ドル達成者が各クラブに1人いたらお礼する設定だったのですが,クラブ目標にしてしまったため,どうしても会長や財団委員長らが年に1回1,000ドルの寄付をしてしまう習慣になってしまっていたのではないかということで,変更しました。本来の趣旨は「少しずつお願いします」というものです。
 「ポール・ハリス・フェロー」,「マルチプル・ポール・ハリス・フェロー」ですが,稲のマークを入れているのは年次基金とポリオプラス基金の寄付の合計で1,000ドルに達した時点で認証し,1,000ドル単位で増えていきます。「メジャードナー」,「アーチ・クランフ・ソサエティ」は寄付分類にかかわらず合計が1万ドルに達した時点でお礼をさせていただきます。「ポール・ハリス・ソサエティ」はあまり知名度がなく,一括でも月払いでもいいので,「年間合計1,000ドル以上支援する」と宣誓し,実際にした方へのお礼です。財団寄付の認証では,会員全てが年次基金寄付25ドル以上で,1人当たりの額が100ドルに達したクラブに「エブリロータリアン,エブリイヤー」という認証が与えられます。
 皆様からの財団寄付が地域社会や世界での奉仕活動を支える財源となります。引き続きロータリー財団へのご理解とご協力をお願いできればと思います。
(スライドとともに)