大阪ロータリークラブ

MENU

会員専用ページ

卓 話Speech

  1. Top
  2. 卓話

卓話一覧

2020年11月13日(金)第4,771回 例会

ボーダー無き心 ~米山奨学生から外交官へ~

スザンカ・ハニバロヴァー氏

在堺チェコ共和国名誉領事館
(元当クラブ受入れ米山奨学生)
スザンカ・ハニバロヴァー

チェコ・オストラバ生まれ。2005年来日。’11年関西大学,’14年神戸大学大学院修了。日本の文化に憧れ世界との架け橋になる夢を持ち,大学では国際学・国際関係を学ぶ。卒業後は関西を中心にパーソナリティや司会など幅広く活躍。トライリンガルを活かして国際会議のコメンテーターや国際交流事業のコーディネーター等も務める。’19年在堺チェコ共和国名誉領事館を設立し,勤務。
2010学年度当クラブ受入米山奨学生。

 小さい頃から夢はたくさん持っていました。いろんな世界を見て,学んで,感じて,それをチェコの皆さんに伝えてかけ橋的な仕事をしたいと思っていました。

「ちょっと行ってみよう」

 大学に入り,チェコで出会った日本の友人から「ちょっと日本に来ない?」と声を掛けていただいたんです。「行ってみようかな」みたいな。世界に出たかったんですが,日本は全然考えてなくって,アフリカとか南アジアとか南米とか発展途上国に行くのが夢でした。本当に軽い気持ちで「日本,うーん,ちょっと行ってみようかな」って。こうやって日本に来たんです。
 日本についても日本語も全くわからないまま来たんですが,すばらしい国,おいしいものもたくさんある,きれいなところもたくさんある。何と言っても皆さん本当に親切で,日本が本当に好きになったんです。
 ただ,大学生だったので2~3ヵ月旅してチェコに帰りました。帰ってから,どうしても日本に戻りたいという気持ちになったのです。親も「戻ってどうするの?」と言う。「わからないけど,とにかく日本に戻らなきゃ」と。頭で考えると戻る理由は特になかったんですが,心はそう言ってるからもう戻るしかないと,ガンコな私でした。大反対されましたが日本に戻ってきました。
 日本で大学に行き直そうと思い,勉強して大学をいくつか受け,関西大学に合格しました。「よし勉強しよう,来たぞー!」と思ったとき,大きな問題が起こりました。それは学生ビザ。何回申請しても不許可で,チェコに戻らなければならなくなりました。いろいろな方からアドバイスをいただき,学生ビザも下りました。
 半年いなかったんですが何とか単位が取れ,2回生になりました。そしてミラクル1。今宮戎神社の福娘という伝統があります。大学から「受けてみないか」と言われて受けてみました。なかなか福娘にはなれないと思うんですが,無事選ばれました。福娘というのは皆様に福を与えるものですが,たくさん福をもらえました。ロータリーの米山奨学生にも選ばれ,大阪ロータリークラブの皆様とお会いできました。関西大学を卒業して神戸大学大学院に進学し卒業しました。仕事に選んだのは,「伝えること」。それなら,伝える場を探さないといけない。ラジオや講演会,国際的なイベントの司会などで世界的な魅力を伝える仕事をさせていただきました。

「やるなら私でしょ!」

 ミラクル2。これからどうしようと思っているところに,電話がありました。「堺で名誉領事館をつくりたい人がいて,チェコの人を探している」。チェコにアルフォンス・ミュシャという有名な画家がいます。堺にアルフォンス・ミュシャ館という美術館があり,チェコの人たちはよく堺に訪れていました。そういう縁があって堺に名誉領事館を作ろうとなったんです。作ろうとしていたのは今の堺の商工会議所会頭の葛村和正さんでした。「通訳だったり,翻訳だったり,資料づくりだったり,誰か探してるけど,どう?」って言われたんです。「やるなら私でしょ!」と思い,「ぜひさせてください」となりました。
 私は,チェコ人ですが,大使館なんか行ったことありませんでした。大使館が東京で行っていたフェスティバルの司会に誘われたり,チェコ大使館推薦のさくらプリンセスという,東京での福娘みたいなものですが,チェコ代表にも選ばれました。大使館とつながりを持つようになり,いろいろお話しできるようになり,葛村さんと何度も訪れました。最初はなかなかうまくいきませんでしたが,最終的に大使館の許可が出ました。
 その後,葛村さんや堺市役所の方とチェコのプラハに行き,外務省や国会を訪れました。
 2019年9月21日,「在堺チェコ共和国名誉領事館」をオープンできました。名誉領事館には2つの大きな仕事があります。1つは,日本在住のチェコ国籍の人たちの面倒をみたり,必要だったら何か助けてあげたりすることです。ただ,日本にそんなにチェコの人はいないんです。関西は20~30人ぐらい,全国では500人ぐらいです。
 もう1つは,日本の皆様にチェコのすばらしさを伝えることです。去年は,名誉領事館の開所式の後のチェコフェスティバルというのを開きました。2日で7,000人ぐらい来ていただきました。ことしも第2回を開き,2日で9,000人近くの方が訪れました。チェコ料理やビールやワイン,雑貨とかチェコの魅力を何とか皆様に伝えることができたのかなと思います。

「夢」は新たなスタート

 世界に旅発ち,世界で活躍したい,世界とチェコのかけ橋になりたいという夢を持ち,気がつけば日本に来てから15年経ちました。最初から持っていた夢はほとんど全部叶いました。これで私の夢は終わりかなと思ったら,その逆です。ここからは,新たなスタートだと思っています。国と国,人と人,そして心と心をつなげていく,こういった仕事を頑張っていきたいと思います。
(スライドとともに)