成都は中国の西南部に位置し，四川省の中心都市であるだけでなく，中国西部で最も重要な中心都市です。国家ハイテク産業基地，商業物流センター，総合輸送の中心地でもあります。「天府之国」，つまり「豊かな土地」として知られています。
　また，長い歴史を持つ古代の文化都市で，最も有名な金沙遺跡は3000年前のものです。漢の時代に，ますます繁栄した成都は，当時，国内で5大都市の一つになり，唐の時代には中国で最も発展した工業都市と商業都市の一つになりました。

杜甫の邸宅跡地

　文化都市としては，多くの史跡や文化的景観があります。都江堰（とこうえん）は2000年以上の歴史があり，世界文化遺産として知られています。武侯祠は三国志ファンの聖地で，国の重要文化財保護施設に指定されています。武侯祠の「武侯」とは「忠武侯」と謚号（しごう）された諸葛亮を指し，武侯祠は彼を祀る霊廟を意味します。
　杜甫草堂博物館は，唐代の詩人・杜甫の邸宅の跡地です。ここに住んでいる間，杜甫は200以上の詩を書きました。世界中から詩人愛好家が，この華麗で偉大な詩人を記念してここに集まります。
　西嶺雪山は成都の有名な自然景勝地です。風光明媚な山には一年中雪があり，成都の最高峰です。あたりの景色は美しく，雪をかぶった山々は雄大です。ここはスキーにも最適な場所です。

ファッションストリート

　ジャイアントパンダの繁殖研究拠点はパンダや，そのほかの希少で絶滅の危機に瀕している野生生物保護研究機関もあります。
　成都で最も有名なビジネス街は春煕路と天府広場です。天府広場は経済・文化・商業の中心地であるだけでなく，成都の地下鉄の中心地点でもあります。春煕路の「煕」は中国語で「多くの人々」を意味します。多くのブランド店と昔ながらの中国のショッピングモールがあり，ファッションストリートとしても知られています。おしゃれな服装の若者が集まる場所でもあり，写真家が流行の服を着た歩行者の写真を撮り，インターネットに投稿します。
　成都は料理もとても有名です。外国人がなぜ成都を好むのかについては，成都の料理とライフスタイルに触れる必要があります。成都の人の好きな言葉は「巴适（バシ）」で，「良い」，「快適」，「正しい」という意味です。また，品物が本物であることをほめるためにも使われます。「巴适」は成都の人々の生活の中で最も一般的に使用される四川方言であり，成都の人の満足感と楽観的な態度を具現化するものです。この「巴适」を，成都の料理は体現しています。
　ユネスコから「世界ガストロノミーキャピタル」の称号を授与された成都の街路と路地は，料理店が豊富で，料理は多様でまろやかです。その料理はスパイスを使用することでも知られています。四川人が好む料理は辛いです。火鍋は，国内外の観光客が成都で味わう料理になっています。
　四川人は麻雀をすることで有名で，一日中麻雀をする人もいます。成都の路地を歩いていると，小さなテーブルの周りで麻雀をしている人たちがいます。加えて，成都の人々はお茶を飲むのが大好きです。
　喫茶店に座っている客たちは，鳥をからかったり，昼寝をしたり，本を読んだり，2～3人でおしゃべりをしたりしています。時には川劇（せんげき）を歌う人，靴を磨く人，占いをする人などもいて，皆とてものんびりしています。そのため，成都は古くから「お茶がなければ成都なし」として知られています。
　成都の川劇文化は世代から世代へと受け継がれています。川劇は京劇と似た中国の伝統的演劇で，一瞬で面を変える「変臉（へんれん）」はとても有名です。

技術革新を重視

　成都は科学と教育を大切にする都市でもあります。世界の重要な電子情報産業の基盤の一つとして，成都には30の国家レベルの科学研究機関と67の国家レベルのR＆Dプラットフォームがあります。年間で合計80,819件の特許が申請されており，技術革新を重視していることがわかります。
　教育面では，成都には四川大学や電子科学技術大学など56の大学があり，さまざまな才能を持つ学生が約389万人います。成都の中学校と高校の教育レベルは同様に高く，2020年7月に成都は教育省の一般高校向けの新しいコースを実施するためのデモンストレーションゾーンに選ばれました。優れた人材育成制度と，オープンで革新的な都市の特徴が相まって，成都は世界中から若い才能を集めており，将来ますます革新的で発展した都市になるでしょう。
　成都はオープンで包括的な都市です。最新の調査によると，世界の上位500社のうち301社が成都に拠点を置いています。さらに，103の友好都市があります。これは政治・経済・文化の面でオープンで寛容な都市であることを示しています。ぜひ成都に来て，文化や風景を体験してください。
（スライドとともに）