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2018年1月12日(金)第4,654回 例会

ニューイヤーコンサート
~オペラ・アリアの饗宴~

出演者プロフィール

ソプラノ : 泉  貴子氏

東京藝術大学音楽学部声楽科を経て同大学大学院音楽研究科修士課程,同大学院後期博士課程修了。博士(音楽)号を取得。学生音楽コンクール第3位,瀧廉太郎声楽コンクール第2位入賞,入賞記念短期留学助成金を受け,ウィーン留学。1998年にはシエナに留学。関西二期会会員。相愛大学音楽学部准教授。

ソプラノ : 熊谷 綾乃氏

同志社女子大学学芸学部音楽学科卒業後,京都市立芸術大学大学院音楽研究科修了。関西二期会オペラ研修所にてさらに研鑽を積み,数々の作品に出演。2017年10月関西二期会第88回オペラ公演「魔弾の射手」・エンヒェン役を好演。京都芸術祭音楽部門第26回新人賞,第30回京都新聞社賞受賞。関西二期会準会員。

テノール : 二塚 直紀氏

大阪芸術大学音楽学部声楽科卒業。オペラを中心に活動し,各種演奏会に出演。昨年のニューイヤーコンサートで大変好評だった「びわ湖ホール四大テノール」の一人としても活躍。大阪舞台芸術新人賞,平和堂財団芸術奨励賞受賞。関西二期会会員。

ピアノ伴奏 : 今岡 淑子氏

相愛大学音楽学部卒業,同大学ピアノ研究生修了。ソリストとして各地でのリサイタルやオーケストラと共演。伴奏者,室内楽奏者として内外の演奏家と多数の演奏会に参加するなど幅広く活躍。音楽現代新人賞,京都芸術祭優秀伴奏者賞受賞。武庫川女子大学音楽学部教授。


プログラム紹介  米田 哲二会員 (音 楽)
 オペラは実は大変おもしろく,とっつきやすい。超がつく娯楽作品だと私は思います。本日はオペラ・アリアを楽しんでいただけたらと思います。
 ソプラノのプリマドンナは「プリマ」は「一番」,「ドンナ」は「女性」の意味です。主役を歌うソプラノの女性歌手で,泉さんのようにドラマティックで,しかも抒情的な声が必要です。熊谷さんの声はレッジェーロで,軽いという意味のイタリア語。人間としては難しい高い音を軽々と,しかも早く軽やかに歌うので,非常にテクニックが必要です。テノールの二塚さんは,抒情的な,二枚目役を歌える声です。
 ジャコモ・プッチーニは1858年にイタリアで誕生したオペラ作曲家。非常に甘いメロディー,あるいは劇的な音楽も得意とします。現代に生きていましたら,きっと素晴らしい映画音楽をたくさん作曲していたに違いありません。その中の5曲を用意しました。

 まず1曲目,「ラ・ボエーム」。物語は1830年代,貧しく,まだ日の目を見ない若い芸術家たちがパリの屋根裏部屋で繰り広げるドラマティックなお話です。ケンカ別れしたかつての恋人がカフェにいるのに気づき,女性が気を引こうとします。


― ―♪「私が街を歩けば…」
プッチーニ : オペラ「ラ・ボエーム」より

ソプラノ 熊谷 綾乃氏

 2曲目。物語は1800年のローマ,警察が革命家を厳しく弾圧している時代。歌姫トスカの恋人カヴァラドッシは革命派を擁護した罪で牢獄に入れられています。警視総監スカルピアは,恋人の命を助けるかわりにトスカの愛を要求し,トスカは仕方なく受け入れます。♪「主よ,どうして私にこんな報いをくださるのですか…」。

― ―♪「歌に生き恋に生き」
プッチーニ : オペラ「トスカ」より

ソプラノ 泉  貴子氏

 3曲目は「星も光りぬ」。牢獄から出され,銃殺前のトスカの恋人カヴァラドッシの辞世の歌です。♪「星が輝き,大地はかぐわしい香りを立ち昇らせている。既に私の恋は永遠に消え去った。今,私は絶望のうちに死んでいく。ああ,生きるとはこんなに大切なものだったのか…」。

― ―♪「星も光りぬ」
プッチーニ : オペラ「トスカ」より

テノール 二塚 直紀氏

 4曲目は「ある晴れた日に」。皆さんよくご存じの「蝶々夫人」です。明治時代の長崎,アメリカ軍人ピンカートンが蝶々さんと結婚はしたものの,彼にとっては日本での一時の遊びです。日本を去ったピンカートンはアメリカで結婚。しかし,蝶々さんただひとり,毎日港をながめ,ピンカートンが帰ってくるのを信じて,けなげに待っています。

― ―♪「ある晴れた日に」
プッチーニ : オペラ「蝶々夫人」より

ソプラノ 泉  貴子氏

 トリノ冬季オリンピックのフィギュアスケートで優勝した荒川静香さんが滑った時の音楽が「誰も寝てはならぬ」。昔々,中国の皇帝の娘のトゥーランドット姫の婿になれる条件というのが,王族の貴族であること,そして姫自身が三つの謎をかけますが,謎を解いた異国の王子カラフが歌います。

― ―♪「誰も寝てはならぬ」
プッチーニ : オペラ「トゥーランドット」より

テノール 二塚 直紀氏

  プッチーニは,ヒロインの女性の悲しみや苦しみを甘いメロディーで表現するすばらしい曲をたくさんつくっております。今の蝶々さんも最後に死にます。その前のトスカも死にますし,ヒロインが死ぬという悲劇をつくるのが上手なプッチーニです。

 最後の曲になりました。「キャンディード」は楽天的に人生を楽しもうという楽天主義者ですが,それを舞台化した作品です。オペラ歌手のテクニックがないと歌えない難しい曲です。


― ―♪「着飾ってきらびやかに」
バーンスタイン:「キャンディード」より

ソプラノ 熊谷 綾乃氏

アンコール
― ―ナポリ民謡:♪「オー・ソレ・ミオ」

(会場からの盛大な拍手に包まれ閉幕)