大阪ロータリークラブ

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2016年5月13日(金)第4,579回 例会

グローバル補助金,地区補助金の積極的な活用を目指して

塩 野  秀 作 君

地区ロータリー財団補助金小委員会委員長 
会員
塩 野  秀 作 

1952年12月兵庫県明石市生まれ。’71年県立熊本高校卒業。’76年慶應義塾大学商学部卒業。同年出光興産(株)入社。’83年塩野香料(株)入社。’90年同社取締役。2001年同社代表取締役社長。
’02年10月当クラブ入会。’04年副S.A.A.。’05年インターアクト(長)。’06年システム(長)。’13年ロータリー財団委員長・理事。’14~16年度地区財団委員会で現在も活躍中。ポールハリスソサイエティ会員(PHS)。PHF4,米山功労者4

 グローバル補助金,地区補助金の積極的な活用を目指して,財団の補助金制度について,お話をさせていただきます。

財団と補助金

 財団の補助金を得るには,各ロータリークラブが毎年度,地区財団委員会主催の補助金管理セミナーに1名以上が出席,クラブ覚書の署名・提出が条件とされています。このセミナーは,補助金を効果的に管理し,資金を適切に監督するのに必要な知識や情報を提供する研修です。

 まず,ロータリー財団の成り立ちから。1917年,6人目の国際ロータリー会長のアーチC.クランフが,アトランタの大会で「世界で良いことをするために何かしよう」と提案。そのときの寄付をもとに基金が設立されました。’28年にロータリー財団として独立。’83年には非営利の財団法人となりました。

 財団の使命は「人々の健康状態を改善し,教育への支援を高め,貧困を救済し,世界理解,親善,平和を促進する」ことです。標語の「世界で良いことをしよう」というためには寄付が必要となります。

 財団の補助金制度は,2つあります。1つはグローバル補助金。これは6重点分野で,大規模で継続性のある奉仕活動の支援に使われます。プロジェクト額は3万ドル以上。海外クラブ・地区との共同提唱の形がほとんどです。

 2つ目は地区補助金。日本の地元や海外における小規模で1年以内の短期の奉仕活動支援に使われます。総額40万円以上。

 基金の流れでは,年次基金寄付で大阪RCは1人あたり年間160ドルから170ドルの寄付をしています。会員数と為替レートで計算しますと450万円~500万円となります。

 実は,大阪RCは非常に多くの寄付金を財団に出していますが,ほとんど戻りがない。30人,40人のクラブですと,お金があまりありませんから,補助金に頼らないと社会奉仕活動ができない。ですから,他のクラブはよく補助金を利用されています。

大規模な国際的プロジェクト支援

 グローバル補助金とは,大規模な国際的プロジェクトに活用できる補助金です。6重点分野に該当することが条件。また,持続可能で測定可能な成果が必要です。そして,実施国と援助国が提唱しているという条件もあります。

 このうち,6つの重点分野を説明します。平和と紛争予防・解決,疾病予防と治療,水と衛生,母子の健康,基本的教育と識字率向上,経済と地域社会の発展―のことです。

 この補助金の対象は,人道的国際奉仕,大学院レベルで1~2年の留学への奨学金,専門職業の研修チームを海外派遣するケースです。

 立案には6つのポイントがあります。地域社会のニーズの調査,できるだけ現地で物資調達する,現地の資金源を確保,研修・教育・呼びかけを行う,受益者にも参加してもらう,モニタリングと評価―が必要です。

 報告書はプロジェクト完了後2カ月以内に提出の必要があります。1年以内に終わらない場合,補助金受領後12カ月以内に中間報告書を提出します。

 実績としては,2013-14年度は,グローバル補助金で16件。うち人道奉仕13件,奨学金3件。’14-15年度は人道奉仕5件,職業研修チーム1件,奨学金1件でした。

地区補助金について

 地区補助金の申請には,地区による資格認定のほか,ロータリアンが積極的に関わっている,プロジェクトが1年以内に完了,人道的に重要度が高い,受益者が経済的に困難,利害対立の回避―つまりロータリアンは,この活動で補助金の恩恵を受けないということが必要です。

 補助金は,社会奉仕活動,人道的国際奉仕,どちらもプロジェクト総額が40万円以上のものに対して出されます。

 地区補助金を申請する際の注意点として,申請書は,地区の財団補助金のホームページからダウンロードして,使用せねばなりません。見積書のコピーは,宛名に提唱クラブ名が入った業者発行のものを添付します。他言語の場合は,必ず和訳を添付。金額は,申請月のロータリーレートでドル換算します。

 地区補助金事業を実施するときには,ロータリアンが積極的にプロジェクトに関与していることが大事です。また,継続的な受益者でないことが確認できることが必要です。補助金入金後にはプロジェクトがすぐに実施されること,銀行に補助金専用口座を開設し,資金の流れの明朗化が求められます。

 地区補助金の活動報告書は,補助金受領後6カ月以内です。この際,補助金口座のコピーと領収書の原本の添付が必要になります。

 地区補助金の活用事例を紹介いたします。東大阪RCは,ベトナムハノイの子ども村に,浄水器とパソコン,音楽教室備品等を寄贈しました。地区補助金は22万3,572円です。

 大阪柏原RCは,養護施設の子どもたちをユニバーサル・スタジオ・ジャパンに招待しました。グループ分けしてロータリアンが一日引率し,ふれあい交流の場を持つプロジェクトで,地区補助金が56万7,424円出ました。

 補助金申請の実績は,’15-16年度は地区補助金が34件,グローバル補助金が9件です。申請したことのないクラブは17あります。ぜひ,補助金を活用していただければと思います。

(スライドとともに)