大阪ロータリークラブ

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2014年11月7日(金)第4,509回 例会

ロータリー財団の戦略とクラブの役割

溝 畑  正 信 氏

国際ロータリー第2660地区
ロータリー財団委員会
委員長
溝 畑  正 信 

1969年,大阪薬科大学薬学部卒業。’80年,愛知学院大学歯学部卒業。京都府立医科大学法医学教室助手,愛知学院大学歯学部病理学教室講師を経て,’87年10月,医療法人翔聖会溝畑歯科クリニック・翔聖インプラントセンターを開設,2010年4月,医療法人翔聖会 翔聖クリニックに名称変更,同年8月に内科を併設し,現在に至る。1987年,東大阪東RC入会(歯科)

 ロータリー財団は,皆様からの寄付を世界中の人々への奉仕に役立てています。寄付はポリオ撲滅,平和推進といったロータリーの優先活動のため有効活用されています。

 また財団の補助金は,ロータリアンが貧困・識字・飢餓などの問題に持続可能な方法で取り組むことを可能とします。今,そして未来のために,よりよい世界をつくる活動にぜひご支援くださいますようお願いします。

世界でよいことをしよう

 本年度のゲイリー・ホァン国際ロータリー会長のテーマは「ロータリーに輝きを」です。「世界には問題が山積みとなっており,大勢の人が助けを必要としています。地元,地域社会が何を必要としているか,どう支援できるかは,皆さんご自身の方がお分かりになるでしょう」と言っています。

 ロータリー財団の標語は「世界でよいことをしよう」です。財団の使命は「ロータリアンが人々の健康状態を改善し,教育への支援を高め,貧困を救済することを通じて,世界理解,親善,平和を達成できるようにすること」です。

 すべての財団のプログラムは,この使命に則ったものである必要があります。そして,皆様方からの寄付はロータリー財団の補助金となって,助けを必要とする地域社会に持続可能な変化をもたらす活動に役立てられています。

 財団は,皆様方の寄付を資金として,皆様のプログラム参加によって,地元,国際社会に貢献しています。財団プログラムには,地区補助金,グローバル補助金,ポリオプラス,ロータリー平和センターがあります。総予算は55億ドルで,現在5億6,000万ドルが不足しています。

 補助金は2013年~18年までの5年間,ビル・ゲイツの財団が2倍上乗せすると言っています。財団の補助金は毎年3,500万ドル,それにゲイツ財団が7,000万ドル上乗せし,5年間で計5億2,500万ドルを目標としています。

 財団は,1地区に対して,地区財団活動資金の20%を寄付してほしいと言ってきています。継続的な寄付をお願いしたいのですが,「Every Rotarian Every Year―毎年あなたも100ドルを」ということで,日本では1人当たり150ドル寄付してほしいと言っています。

 昨年度より年次基金に毎年1,000ドル寄付してくださる方を認証するプログラム「ポール・ハリス・ソサエティ」が実施されています。こちらにもご協力をお願いしたいと思います。

 現在,日本で80クラブぐらい,ロータリー財団に全く寄付のないところがあり,「寄付ゼロクラブの解消」を言っています。年次基金のみならず,恒久基金,大口寄付にもご協力をお願いしたい。

財団プログラムの内容

 昨年度から,新補助金プログラムが実施されています。一つは地区補助金です。これは比較的小規模な活動やプロジェクトに使用され,地元または海外で活動できるものです。ロータリーのある国でも,ない国でも使用できます。各クラブから一括して財団に申請し,人道補助,奨学金,職業研修費,災害復興支援にも使えます。

 もう一つ,グローバル補助金は,大規模で長期のプロジェクトに使用されるものです。1 万5,000ドル以上,国際財団活動資金の補助があると3 万ドル以上の大きなプロジェクトが実施できます。ただし,6つの重点分野に合致していることが必要です。6 つの重点分野は,(1)平和と紛争予防・紛争解決,(2)母子の健康,(3)基本的教育と識字率向上,(4)経済と地域社会の発展,(5)疾病予防と治療,(6)水と衛生――です。

 次にロータリー平和センタープログラムの推進ですが,ポール・ハリスは2 度の世界大戦を経験し,平和の大切さを痛感しました。ポール・ハリスの没後50年をメモリアルとして,このプログラムができました。

 基金の目標は2015年6月30日までに1億2,500万ドルです。これが集まれば,毎年100名の平和フェローを送り出すことができます。世界の6大学で国際関係,平和,紛争解決の研究で修士号または専門能力開発プログラム修了証の取得を支援するものです。修士号は2年。専門能力修了証はタイ・チュラロンコン大学の3カ月のコースで,年2回あります。国際レベルで平和活動に貢献する人材を育成するものです。

 2002年の1期から12期までの日本から派遣の平和フェローは26名で,スーダンの難民支援,インドの女性のための雇用機会創出,あるいは紛争や災害などの復興支援で活躍しています。

幸福と平和の大きな力に

 ロータリー財団の未来の健全性のために,長期的に財務安定性を確保する新しい補助金モデルが導入されます。来年の7 月開始で,運営準備金制度というものです。

 クラブ会員の皆様にお願いしたいのは,ロータリー財団の戦略を知ること,財務を知ること,世界および日本の奉仕活動の現状を知ること,地区の補助金による奉仕活動の実情を知ること,クラブ奉仕活動を率先すること,年次基金寄付や大口寄付に協力することです。

 ロータリー財団は,私たちロータリアンに多くの出会いと感動をもたらします。ロータリアン一人ひとりの意欲と善意が集まって,地域社会が幸福になり,世界が平和になっていく大きな力になる,と確信しています。

(スライドとともに)