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2011年6月24日(金)第4,353回 例会

1年間を顧みて

伊 藤    勲 氏

会 長 伊 藤    勲 

1944年10月生まれ。’67年慶応義塾大学経済学部卒業。’70年4月伊藤忠商事入社,’00年3月同社退職。’94年9月(株)イトゥビル取締役社長。’94年10月(財)昭和報公会理事長,’02年5月(財)豊郷済美会理事長,’03年5月甲南学園・甲南小学校理事長等,現在に至る。’00年当クラブ入会。’02 RAC(長),’04幹事, ’06理事・R財団(長),’08理事・友好(長)等を歴任。

 今年のカラーは伊藤の「藤」,藤色ということで,今日は藤色のネクタイをしてきました。
 本日,最終例会を迎えることができましたのも,ひとえに皆様のサポートのお陰です。心から御礼申し上げます。
 今年は外交官5名の入会もありました。
 また,例会の運営は,皆様の努力のお陰をもちまして,非常に楽しい雰囲気のある例会になりました。「楽しい食事」をテーマに,季節感にあふれた,バリエーションに富んだおいしい料理を味わっていただけたのではないかと思っています。

東日本大震災で支援

 3月11日の東日本大地震から3カ月半,被災された方々には慎んでお悔やみとお見舞いを申し上げ,心から復興を願うとともに,引き続き応援をしていきたいと思っています。
 救援募金もご協力を得ることができました。
ありがとうございました。
 さて,会長就任時の挨拶で,本年度の運営方針として,「奉仕する人は行動しなければならない」から2文字をとりまして,「行動」といたしました。具体的には,4点を掲げました。
 第1点は「出席率の向上」です。
 『75年史』には,「ホームクラブヘの出席が本義である。出席はあくまで当人の自由意思で,自発的に例会に出ようという気持ちにならしめるようなクラブの雰囲気を盛り上げていくことが大切であって,奨励はしても強要がましいものであってはならない」と書いてあります。
 1956年から70年ごろまで,ホームクラブ出席率は50%台ですが,メークアップを含む出席率は90%台でした。1997年から99年ごろまでは,ホームクラブ出席率は50%台ですが,メークアップを含む出席率は85%前後。2007年から09年ごろまでは,ホームクラブ出席率は50%台ですが,メークアップを含む出席率は70%と急落してきました。
 今年の結果はどうでしょうか。
 上期のホームクラブ出席率は59.17%,メークアップを含む出席率は74.42%。下期のホームクラブ出席率は59.95%,メークアップを含む出席率は76.81%。通期(但し,5月末までですが)ホームクラブ出席率は59.53%,メークアップ含む出席率は75.51%でした。
 メークアップを含む出席率で80%を超えたのは,上期が2回で,下期が3回です。皆様方の自主性で,出席率は向上しました。やればできるということが証明されました。

卓話を充実

 第2点は「家族の絆を高める」です。秋の家族会,春の家族旅行に加え,初の試みとして,2月18日を家族デー例会としました。卓話者に「司葉子さん」をお招きして,34名のご家族の方々のご出席を得ました。
 第3点は「卓話の充実」です。チャーターメンバーの一人,平生釟三郎先生は,「人間はおもしろいか,ありがたいかのいずれかでなければ,寄ってくるものではない」と言われました。そこで,おもしろいかありがたいか,いずれかの卓話者を呼んでいただきました。
 同時に,自己研鑽を込めて,また自ら行動する意味でも,卓話の内容に基づいて,恐竜の話があったときは,福井県立恐竜博物館を,聖武天皇の話では東大寺を,司葉子さんの話では東京恵比寿RCを訪問してきました。
 また,「人間の欲望」への警鐘の卓話がたくさんありました。東大寺長老・森本公誠氏の「聖武天皇の意思」では,「人間というのは欲望というアクセルしかついていない車のようなものであって,人間が欲望にかられて暴走しないように心のブレーキを身につけなさい」という精神のお話がありました。
 上田篤氏の「西郷隆盛 ラストサムライ」では,西郷が提案した「道義国家」への回帰です。日本社会には物理主義が蔓延し,誠や道徳などといった精神主義は古いものとして,顧みられなくなったと述べられていました。
 福井県立恐竜博物館・後藤道治氏の「恐竜は生きている―大地のロマンを求めて―」では,2億5000万年前から6500万年前まで生存していた恐竜の話でした。
 恐竜は2億年近く生存していました。一方,人間は最高の英知を持っているわけですが,現代人が出現してわずか10万年といいながら,地球を破滅させるのは人間ではないかと私自身考える次第です。
 「人間五十年,下天のうちを比ぶれば,夢幻の如くなり」という言葉がありますが,人の世の50年の歳月は,下天の1日にしか当たらない。人間の尺度ですべての物事を見るということはむなしい,はかないということだと思います。
 第4点は「会員減少のストップ」で,純増7名の258名となりました。入会は32名で,現在のところ退会が20名ですが,予定では25名ということで,7名の純増です。

ストレスマネジメントを

 今年の「会長の話」ですが,「人生訓」を話すことが一番ではと気づき,自分自身を見直し戒めるためにも,箴言,人生訓の言葉をこの1年間で20回話させていただきました。
 本日は,「ストレスマネジメント 100のアイディア」を披露させていただき,私の最後の「会長の話」とさせていただきます。これは,あなたのストレスマネジメントをよりうまく進めるためのヒント集です。リラックスするための小さなアイディアから,コミュニケーションや頭の働きのコントロール,困ったときに少し立場を変えてみるためのヒントまで,ストレス学説の提唱者であるハンス・セリエ博士の提言や,人間行動科学の各種の調査報告に基づいて作成されました。
 ランダムに並んだ100項目は,現代の科学から見いだされるものでありながら,「よく学び,よく遊べ」,「汝の敵を愛せよ」,「早起きは三文の徳」など,東西先人たちの教えと実によく似ています。
 ストレスマネジメントとは,脈々と語り継がれた,よりよく生きるための人間の知恵であるのかもしれません。項目の中には,あなたによく合うもの,役に立ちそうもないもの,いろいろあるでしょう。特に心に残るものがあれば,それがあなたが今必要としているものです。あなたの実践の中に生かしてください。
 以下,項目です。
・自分の記憶力を過信しないこと。物忘れ,記憶違いはストレスレベルを上げるもとです。すぐ,手帳にアポイントメントを書き込む習慣をつけてください。
・待つときのための読み物をいつも用意すること。銀行で,駅で,待ち合わせで,人や何かに待たされているときのイライラは,現代のストレスの代表格。どうせ待つものと決めてかかれば,自分のための時間として役立てられます。
・緊張感や不安,怒りを無視,あるいは敵視しないこと。それは必ず何かの信号です。まず,それらが起こっていることを認めること。それから,その原因に目を向けます。
・勝つことにこだわらないこと。あなたが50回勝ったら,50回負けるのは当然です。
・あなたは常に正しい人である必要はありません。
・いくら正しくある必要がないからと言って,間違ったことはしないでください。罰を受けるからではありません。罪の意識を持ってしまうからです。中には全く感じない人もいるようですが,罪の意識,自分を責める気持ちはいつも心の底にたまって,少しずつあなたのストレスレベルを上げていきます。
・時には,自分が正しいときでも譲ること。もうそれ以上,あなたが正しいことを人に説明し続ける必要はないのですから。
 以上,「100のアイディア」の最初の12項目の中の7つをお話しさせていただきました。 この1年間皆様のご支援をいただき,ありがとうございましたと,ニコッとして終わらせていただきます。

直前会長 黒 田  章 裕 君 (事務用品製造)

感謝の言葉

直前会長 黒 田  章 裕 (事務用品製造)

卓話者紹介 : 1949年9月生まれ。’72年慶応義塾大学経済学部卒業,同年コクヨ(株)入社。’77年同社取締役に就任。常務,専務,副社長を経て’89年同社代表取締役社長に就任。現在に至る。 ’86年当クラブ入会。’90年S.A.A.,’95年幹事,’01年理事・友好(長),’07年理事・R財団(長)。

 本日は皆様方を代表して,お礼の言葉を申し上げたいと登壇しました。  伊藤会長はこの1年間,「行動」をテーマに,卓話の充実,会員減少のストップなどで高い成果を上げられました。出席率も対前年比,全部上回っています。

 特に今年は,3月11日東日本大震災が発生しましたが,義援金をすみやかに送られ,継続的に今後どういう形で復旧・復興に支援していくべきかという議論のスタートをお切りいただきました。  これは今後引き継がれ,100周年に向けての残り10年間の90周年記念事業にも何らかの形で反映されると考えております。

 また,特に私の印象に残っているのは「絆」です。家族デーということで,奥様方にご一緒いただいたりして,家族の絆を深めようという筋の通ったものに動機されておられたと考えております。  私どもは,伊藤会長のこの大きなテーマにいろんな影響を受けながら,1年間進んできたのではないかと思っております。

 最後にストレスの話をされました。その中に,「人間,50回勝って,50回負けてもええやん」というお話がありました。この言葉に,伊藤さんのほんわかとしたこの1年間の姿をうかがい知るような気がいたします。  特に肩ひじを張ることなく,とは言うものの,まじめに進めておられた姿は,まさしくこの1年間の会長の名マネジメントがあらわれていた姿ではなかろうかと考えています。

 深く心より尊敬申し上げ,お礼の言葉とさせていただきます。