（冒頭ＤＶＤ上映）

　人生は川の流れに似ている。しかも，それが人々が体験し得ない女優というものであれば，それは「花のながれ」にほかならない。

　昭和２９年５月２１日号の『家庭よみうり』の表紙の女性が，東宝の関係者の目にとまっていた。

　８月に公開予定の映画「君死に給うことなかれ」で主演女優が決まらずにいた東宝は，早速彼女に出演を交渉した。相手役は池部良。迷いに迷って彼女は，１本だけという約束で出演を承諾した。そうして，昭和２９年７月４日，司葉子は東宝撮影所の門をくぐる。女優としてのスタートを切った。

　１本きりのはずだった。しかし，東宝はすでに看板女優として売り出す態勢をとっていた。翌年，「不滅の熱球」，続いて森繁久彌と「夫婦善哉」，鶴田浩二と「帰って来た若旦那」など，翌年には１年で実に１０本の映画を撮った。３１年には「社長シリーズ」がスタート。この年は１２本もの映画を撮った。

（ＤＶＤナレーションより）

出演映画１５０本

　私の義兄は当クラブの会員でした。耳鼻科をしておりました皿井五郎です。その妻・昭子の妹が私です。皿井は大変熱心なロータリアンで，私も夏休みとか春休みとか大阪に来ておりましたので，家族会にも何度か伺わせていただきまして，何かとても親しい感じを持っているのです。

　私は，大阪毎日放送に入社して３カ月ぐらいたったころ，天から降ったように映画の世界に引っ張られたのです。家族は反対しておりましたが，大阪毎日放送社長の杉様がこのようなことをおっしゃいました。「若いころ，天下の二枚目の池部良さんと共演したことがあるんだよって孫に話すことがあるのもいいじゃないか」って。この一言で決まりました。そこで家族は納得して，私は映画界に入ることになったのです。

　その後は，１作どころか次々といい作品に恵まれ，現在まで映画１５０本，舞台７５本に出演。

　映画界に入り，５５年たち，このたび旭日小綬章をいただくことになりました。多くの皆様のご支援と，それから，育ててくださった方々に大変感謝の気持ちでいっぱいです。

女性がキラキラ

　ロータリーのお話もしたいと思います。東京は２地区に分かれており，その一つ，２５８０地区は，日本で一番最初にできた東京ＲＣのあるところです。主人（相沢英之氏）はこのロータリーに入れていただいております。２７５０地区は，千代田，銀座，日本橋，京浜，山の手，多摩，それにグアムを含み，私はここの恵比寿ＲＣに入っております。

　現在は男性が５０人，女性が４８人，この２人少ないという数字が微妙なんです。女子会員が男性に敬意を表して絶対上回らないと。従いまして，女性の入会はウェイティング状態です。この男女の均衡としましては，全国で一番じゃないかと思います。

　本当に恵比寿ＲＣの女性はキラキラしていまして，「明日ニューヨークに行ってくるわ」「来週はヨーロッパにチーズの仕入れに行ってきます」―その方たちがまた世界のニュースを持って帰ってくださいまして，親睦には大変良好な状態が続いております。

　世界のロータリー１２０万人のうち１２％が女性で，わが国は３％，最下位です。私は来期「増強アドバイザー」という名前をつけられまして，またまたちょっと頑張らなきゃいけないのかなと思っております。

　恵比寿ＲＣは渋谷区にあり，地元と密着していろいろやっております。例えばドラッグ撲滅キャンペーンとか，「ネット被害の子どもを守る」教育コミック漫画本を制作して，渋谷区の教育委員会と一緒になって渋谷区の小中学校全部に寄贈もしました。文部科学省とか経済産業省の推薦で，全国の私立中学校にも寄贈し，各地から注文を受けてロータリーのイメージに貢献いたしております。

　国際大会には分科会があり，そこで恵比寿ＲＣが日本のクラブ単独で初めて企画を任されまして，バーミンガムでの分科会を開催しました。そのときは「危機下の児童，水と衛生」というテーマでしたが，非常に活発にいろいろ意見の交換が行われまして，何と分科会始まって以来の１，０００人を超える参加者で大盛況でした。

　友好クラブとしては奈良大宮ＲＣ，姉妹クラブとしては台北永福ＲＣがあります。子クラブとして渋谷ＲＣがあります。私が５代目の会長をしたときに，この渋谷に渋谷ＲＣというのがないということで仰せつかり，渋谷ＲＣを立ち上げることになりました。

奉仕活動適齢期

　私がロータリーに入ったきっかけは兄であり，親戚の者がたくさん入っておりましたので，また，「この大きな組織がよく１０６年も続いたな」と大変興味を持っておりましたし，異業種の集まりですので，違う世界を見ることができるということもありました。それから，ロータリアンということで，地域を越えて安心して仲よくなれる。また多くの仲間と手をつないで社会貢献ができるということを幸せに感じております。

　私自身健康な今こそ，奉仕活動適齢期と自分に言いきかせて，実践できればいいなと思っております。「超我の奉仕」，「最も奉仕するものは最も報われる」というロータリーの精神は，まさに哲学だと思っております。私も一歩でも近づけたらいいなと願っております。