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2010年6月25日(金)第4,307回 例会

一年間を顧みて

黒 田  章 裕 君(事務用品製造)

会 長 黒 田  章 裕  (事務用品製造)

1949年生まれ。’72年慶應義塾大学経済学部卒業後,同年コクヨ(株)入社。’77年取締役。常務,専務,副社長を経て,’89年代表取締役社長に就任,現在に至る。’86年当クラブ入会。’95年幹事,’01年理事・友好委員長,’07年理事・財団委員長。

 今日は,1年間を振り返って,ご挨拶させていただきます。1年半ほど前に,当時の小谷会長に呼び出されました。この時期の呼び出しは危ない,と感じなければいけないのですが,私にはその辺のセンスがなく「何事かな」と,おうかがいしました。そこで「来年の錢高会長の次の会長に推薦したい」と,非常に行き届いた私の評価とともに頂戴しました。私には青天の霹靂で,もう少し勉強してからという覚悟はありましたが,こんなに早く60歳前に会長就任の機会が来るとは予想外でしたので「なぜ僕ですか」と。年長の幹事経験者や,ロータリアンとして格式も見識もお持ちの方々のお名前を20人ほど書いてポケットに忍ばせ,再度小谷会長を訪ねました。会長はいろいろお話をされて「本当に君は笑顔がいいよ」と言われました。そのうちに気付きました。固辞すればするほど,アリ地獄にはまるだけだと。私は東京,大阪を行ったり来たり,70%ぐらいは東京にいるので,十分なことができるか不安だと聞きましたら,それは覚悟で選んでいるということで,実は4回休ませていただきました。「NOと言えないロータリー」,これから会長に指名される方々に申し上げておきます。

周囲の真摯な姿勢に感謝

 高月副会長,稲畑(勝太郎)幹事,社会奉仕,国際奉仕,青少年,各理事の方々,どなたも真摯に,非常に清廉に務めを果たしている姿を拝見し,1年間,私は皆さま方の役に立てたのかどうか,忸怩たるものがあります。奉仕という言葉さえも具体的に説明できない私にとって,説明よりも行動ということで,周りの方々は率先して,その姿で示していただきました。理事,役員,委員長の皆さま,委員の方々,何より会員の方々,本当に頭を幾ら下げても足りないぐらい,多くのことを学ばせていただきました。
 ここから少しロータリー本来の話を進めさせていただきます。前回の錢高会長はじめ小谷前々会長等々,最後の卓話の記録を読ませていただきました。素晴らしい名文句と,ご自身の心情,宗教,社会正義,そういうことについて述べられ,ロータリーとの関係性も見事にお話をされています。私にはできないということで,逆に皆さま方に今後の参加に向かうための記憶を呼び戻すという手法でいこうと思います。ということでスライドを使わせていただきます。
 最初の例会で,国際ロータリーのジョン・ケニー会長が「ロータリーの未来はあなたの手の中に」と,また,それを受けて大谷ガバナーが「ロータリーを身につけよう」と話しておられることをお伝えしました。私は大阪RCの会長として,毎回この席で「今日はよくお出でいただきました」とお礼を言いながら,「増強」も含んでいるという意味で「参加」という言葉を繰り返しました。そういう積み重ねが奉仕活動であり,さらに未来のクラブの活動につながるというのが,ケニー会長並びに大谷ガバナーの言葉の趣旨です。例会1回1回の出席が,大海に降る雨の一滴となり,世界100万を超えるロータリアンがそれを積み重ねることで,大きな海や川の流れになっていく。今のためではなく,未来をつくるためにやるというように私は聞いております。

参加はすべての基本

 「参加」というキャッチコピーのお陰で,まだ途中ですが,今年5月末で締めた皆さんの出席率は,若干ですが上がったようです。お礼を申し上げます。過去からの記録を見てみますと,ホームクラブの出席率は下がっております。2005年からは少し上がっておりますが,メークアップを含む出席率,要するにメークアップ後の出席率,前後2週間を入れますと,ずいぶん下がっているということであります。ホームクラブだけを引き去りますと,メークアップの比率が悪くなっているということがお分かりいただけると思います。
 3RCとして交流があります京都RCは,メークアップを含め98%,数人が休まれるだけでありまして,神戸RCでも88%です。我々はメークアップを含め73.99%です。メークアップについて,しっかりと情報が伝わっていないのではないか,どういうふうにするのがいいのか,ということも今後考えていくべきではないでしょうか。これは,私なりの未来に贈る言葉でございます。

魅力的な卓話者

 それから,春秋の家族会のアンケートを実施しました。中には「奥様の介護のためなかなか土日は手が離せない」という,大変身につまされる答えがありました。今後,ロータリーにおいて,家族で何かをするということについて,ある意味本質的な課題というものを突きつけられたような気がします。
 ロータリー理解推進月間の1月に斎藤(洋)委員長から卓話をいただきました。ロータリー情報ということについて,示唆に富んだ講義でした。90周年に向けて,会員がロータリーの情報を共有し,理解を深めようという動きが,実はこの日から始まったのではないかと思っています。
 「参加」を勧めるためにお願いをしたのは,特別メニューでございます。メニューを変えることが「参加」に効果があるのかは見えにくいですが,そういう楽しみもあっていいかな,ということでやらせていただきました。
 卓話は大変魅力的な方が登場されました。今回,女性だけの(スライド)写真を出しました。東尾理子さん。何と卓話が始まったのは1時15分で,早く聞きたいという皆さま方の期待に沿えず,ご紹介の衣斐さんには大変ご迷惑をおかけしました。亀岡典子さん。歌舞伎のお話でした。熊倉純子さん。アートについて。奨学生だった豊山亜希さん。インドの現状のお話。沢松奈生子さん。テニスを通じてのお話に感銘を受けました。重岡良子さん。女流画家。中野裕弓さん。スペシャルオリンピックスです。考えさせられる話で,ぜひ後援をという一言を残されました。大屋洋子さん。若い人とお付き合いしていく上で,参考になる話でした。市田ひろみさん。京都風のしなやかなお話と着物の話。内海英華さん。三味線の弾き語りということで,上方演芸の伝承者として重要な位置を占めていることを理解しました。

気持ちを入れるごめん箱

 「ごめん箱」,早退される方はここに幾らかの気持ちを入れていただく。S.A.A.の方からこういうものをつくってはと提案があり,5万円ぐらい貯まりました。気持ちを入れていただければと思います。
 それから春と秋の家族会の魅力アップに努めました。家族会をお楽しみいただけましたのは,丸山委員長はじめ,副委員長,委員のお陰と思っています。春は,丸山委員長が1日の間に数百キロ走るという行程を自分で運転されて下見に行かれました。その後,体調を崩されて入院されているのですが,家族会の成功のためにご協力いただきました。
 先ほど,増強が「参加」のもう1つの含み言葉だと話しました。クラブは今,252人から253人ということになっておりますが,退会者の数がまだ明確に読み込めていません。今回よかったのは,髙江洲さん,川勝さん,吉本(晴)さん,3人の方が再入会されたことです。この年度末に退会を申し出た方々も,時期が許せばまたお越しいただくことを,お待ちしております。
 継続事業では,天満中学校や花乃井中学校での出前授業をご紹介します。小泉(隆)さんが,出前授業の冊子をつくられ,生徒さんから礼状が来ております。また,その生徒さん一人一人に礼状を書いておられます。「花を楽しむつどい」が解散しまして,残ったお金をニコニコに頂戴しました。これが今年,1000万円を超えた大きな要因になっています。山中さんにお礼を申し上げます。
 1年間,大変ありがとうございました。

直前会長 錢 高  一 善 君 (建設)

感謝の言葉

直前会長 錢 高  一 善 (建設)

卓話者紹介 : 卓話者紹介 : 1944年生まれ。’66年慶應義塾大 学経済学部卒業,’67年(株)錢高組入社。’69年 取締役,’80年取締役社長に就任。’88年取締役 会長兼社長,現在に至る。’74年当クラブ入会, ’89年幹事,’92年理事・青少年奉仕委員長,’96 年理事・ロータリー財団委員長。’08年度会長。

 黒田会長,本当にご苦労様でした。大阪 RCの会員はもちろんの事,我々の会員の家 族を代表しまして,この1年間の黒田会長の ご活躍に厚く,厚くお礼を申し上げます。

ご本人もお話しされましたように,近年50 歳代の会長というのは非常に珍しいことでご ざいます。小谷さんから内示を受けられた時 は,多分まだ58歳だったかもしれません。そ の意気込みで,このロータリーをいい方向へ, どういうふうに進めていくのかということで, 大変腐心をされたと思います。非常に明るく お話しされていますが,一方では非常に真面 目な人柄ということも改めて感じました。い ろいろな活躍に心から感謝すると同時に,新 しい,次の時代のロータリーというものの路 線を敷かれた名会長であったことを本当にう れしく思っています。

1922年(大正11)に大阪RCができまして から,我々は伝統と歴史を保ちながら今日に 至りました。次年度の会長は伊藤勲さんです。 伊藤さんの祖父,忠兵衛さんが25人の同志と ともにおつくりになったという伝統が,黒田 さんから伊藤さんに引き継がれていくという のも,大阪RCならではということで,我々 もその会員であることがうれしくもあり,誇 りとするところでもあります。 これからも我々は同志として,大阪RCが, 社会に対しても,世界に対しても奉仕の精神 を忘れずに発展していくための新しい礎をつ くっていただきました黒田会長,並びに執行 部の皆さま方に,拍手でお礼を申し上げたい と思います。ありがとうございました。