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2010年3月26日(金)第4,295回 例会

平城遷都1300年祭の事業展開について

林    洋  氏

(社)平城遷都1300年記念事業協会
常任理事・事務局長
林    洋 

1977年京都大学経済学部卒業。同年建設省入省。’95年奈良県企画部地域振興室長。同県都市計画課長,農政課長,農林部長などを経て’07年同県理事兼現職。

 平城遷都1300年祭の事業は今年の元日からスタートしています。社寺での秘宝・秘仏特別公開,フォーラムやシンポジウム,それぞれの地域での催しも大盛況で何よりと思っております。

 会期は今年1年間です。メイン会場の平城宮跡では4月24日から11月7日まで,無休で運営します。

祝い,感謝し,考える

 平城宮跡と奈良県内,関西,全国,海外の奈良ゆかりの地でも事業を行います。最終規模は全体で約1,200万人から1,300万人,平城宮跡会場で約250万人と見込んでいましたが,かなりの上方修正が見込まれる状況になっているのではないかと思います。

 日本の歴史・文化が連綿と続いたことを祝い,感謝するとともに「日本のはじまり奈良」を素材に,過去・現在・未来の日本を考える。手短に申しますと,これまでを祝い,今に感謝し,未来を考える。そういうフレーズのもとに,中核事業として大きく2つを設けています。

 1つは祝う方で,平城遷都1300年の記念祝典を,できれば両陛下をはじめとして国内外のVIPの方々をお招きして盛大に行いたい。今回復元整備が完成する大極殿の前庭を会場にと思っています。10月8日が最有力の候補になっています。

 大極殿完成の記念式典は,4月23日に行います。旧暦で3月10日に当たり,710年のこの日に当時の元明天皇から平城遷都の詔(みことのり)が発せられたといういわれのある日です。大極殿の内部は高御座(たかみくら)という天皇の玉座が復元され,周りの壁には四神(青竜・白虎・朱雀・玄武)の壁画が描かれることになっています。

 もう1つは考える方で,「東アジア未来会議 奈良2010」という総称をつけ,ハイグレードの国際会議とか未来のビジョンづくりを行おうと考えています。飛鳥・藤原・平城と,奈良に都が置かれた時代は東アジアなどと積極的な国際交流を展開し,各分野で国の礎が築かれていった時代でして,このような視点に立った取り組みも非常に意義深いのではないかと思います。

 「東アジア地方政府会合」では,日本と東アジア各国,具体的には中国,韓国,ベトナム,インドの,それぞれゆかりの地域の首長の方々が一堂に会し,地方版のサミットをやります。

 「日本と東アジアの未来を考える委員会」という有識者委員会の,全体会合とか一般の方々を交えたフォーラムも考えています。

100年に1度の機会

 平城宮跡は広さが約130ヘクタール。ほぼ国有地化されており,文化庁が朱雀門や東院庭園など諸施設の復元整備を進めてきました。このたび当時最高の国家儀式が行われた「第一次大極殿」の復元整備が完成することになっています。

 この平城宮跡で,1300年祭を大きく2つの柱立てで実施することにしています。

 1つが通季。期間中連日実施します。平城京歴史館は映像を中心とした展示施設です。1300年祭終了後も残そうということで,非常に制約の強い史跡のエリアをはずし,外側へ持っていっております。その一角に遣唐使船を原寸大(長さ約30メートル,高さが約15メートル)に復元して展示します。

 「平城京なりきり体験館」では,仕事とか衣装,ものづくりなどの体験。平城宮跡探訪ツアー,衛兵交代など古代行事の再現イベントといったメニューも考えています。本物の歴史・文化を体験する空間を提供できればと思っています。

 もう1つ,春季・夏季・秋季の一定期間にフェアを行います。通季の取り組みに加え,さらに展示や催事を充実して展開したいと思っております。

 100年に一度のかけがえのない機会でありますから,ぜひこれを大いに生かし,歴史・文化をはじめ奈良ならではの本物の魅力を内外に発信し,1300年祭が起爆剤となって関西全体のこれからの持続的な発展につながっていけばと思っています。

 特別展覧会は,奈良国立博物館の「大遣唐使展」,万葉文化館の「平山郁夫展」,飛鳥資料館の「キトラ古墳壁画『四神』特別公開」など。秋の正倉院展は,スペシャルヴァージョンでお願いしたいということを,強く申し入れています。

せんとくん

 そしてまた同時に,小さいお子さんをはじめいろいろな方がいらっしゃいますので,掛け値なしの楽しさも味わっていただけるようなもてなしの仕掛け,工夫もしていければと思っています。その意味では,マスコットキャラクター「せんとくん」が本当に大きな役割を果たしてくれているのではないかと,ありがたく思っております。

 今日は私の相棒でもあり,パートナーでもあるせんとくんが来ていますので,ただいまから呼んでみたいと思います。「せんとくーん」。(せんとくん登場)

 皆様方にポーズをとってご挨拶してください。

 せんとくんは,一昨年の2月12日に発表いたしました。最初の1~2カ月はバッシングにも遇ったりしましたが,めげずにそれを乗り越えまして,一昨年8月に500日前のプレイベントを行った際,今日のような着ぐるみ姿を初めて披露いたしました。そのあたりから大ブレイクになりまして,グッズの売り上げも好調ということで,本当に大活躍をしてくれております。

 いろいろなことを申し上げましたが,これから1300年祭の成功に向け引き続き全力を尽くしてまいりますので,どうかよろしくお願い申し上げます。