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2009年7月24日(金)第4,264回 例会

『水都大阪2009』いよいよ開幕

室 井    明 氏

水都大阪2009実行委員会
事務局長
室 井    明 

1948年生まれ。’71東京大学工学部卒業,関西電力入社。地域共生本部中之島開発プロジェクトチーム部長,支配人(都市再生担当)などを経て,’08年から顧問。’07年5月現職に就任。

 「川と生きる都市・大阪」をテーマに,「水都大阪2009」が始まります。キーワードは「連携・継承・継続」,基本コンセプトは「水都大阪の魅力を創出し世界に発信」,「市民が主役となる元気で美しい大阪づくり」,「開催効果が継続し都市資産や仕組みが蓄積されるまちづくり」の3つです。8月22日から10月12日までの52日間,中之島公園,八軒家浜,水の回廊をメーンに行われます。8月21日は前夜祭で,夜にはオープニングセレモニーが始まります。事業展開は「アート」と「市民参加」の2つの柱を掲げています。「アート」は,今までのお笑いとタイガースだけでなく,「水都」という新しい大阪のブランドを確立して発信,「市民参加」は全国的にも一番元気な大阪の市民が主役・担い手になり,活動していただこうということです。

水運で商都繁栄

 今なぜ「水都大阪」なのかというと,かつて難波津の港から遣唐使の船が出て行き,中国大陸の文明を取り入れました。江戸時代,「天下の貨七分は浪華にあり,浪華の貨七分は舟中にあり」と記され,浪華八百八橋とうたわれ栄えました。近年,東洋のマンチェスターということで,水運が商都大阪の繁栄を支えました。大阪は淀川の洪水に何回も悩まされました。淀川の大改修工事が実施され,1909(明治42)年に新淀川改修工事が完成しました。今年2009年は,100年の節目の年になります。戦後,自動車の時代になり,多くの川が埋め立てられ橋もなくなっていきましたが,幸い現在残っている堂島川,土佐堀川,木津川,道頓堀川,東横堀川は水の都市資産で,「水の回廊」と呼んでいます。これを水都大阪再生に活用したいということも,今回の活動の一つになっています。

水辺を楽しむ

 「川と生きる都市・大阪」のメーンテーマを受けて,「水都大阪のブランド力」と「水辺の賑わいと活性化」の2つを掲げています。アートを中心に新しいブランドをつくろう,水の都らしい水辺の楽しさを作っていこうと,さまざまなプログラムを予定しています。メーンの中之島公園会場が「水辺の文化座」という水辺を楽しむ特設会場になっています。全国から100人のアーティストが集まり,ワークショップを展開します。「つくるところ」,「あそぶところ」,「話すところ・観るところ」の3つの機能から成り,「灯りプログラム」と「アート舟プログラム」」が加わります。「つくるところ」では,不要になった物を再利用する工房があります。ペットボトルやビニールの廃材で飾り物や大きなオブジェを作ったり,はき古したスポーツシューズでサンダルや小物を作ったりします。アーティストとともに子どもから高齢者まで参加し,ものを作り出す体験をします。「あそぶところ」では,要らないおもちゃを交換したり,巨大サッカーゲームを作ったりします。「灯りプログラム」ではアーティストによる芸術的な灯りや参加型の灯りが夜の中之島を照らします。参加型の灯りは会期前に地域や小学校で灯籠を作ってもらっています。「アート舟プログラム」ではアーティストが装飾した船,ラッキー・ドラゴン号が中之島を拠点に回遊しイベントを展開します。「水都アート回廊」では,中之島周辺で歴史都市大阪の魅力を伝える建物にアートを加え大阪の資産を再発見していただこうというプログラムです。日本銀行大阪支店,朝日新聞大阪本社ビル,適塾,大阪証券取引所ビル,市役所,府立図書館に設置されます。

市民によるまちづくり

 イベントのもう1つの柱,「水辺の賑わいと活性化」の会場は,八軒家浜,中之島公園,水の回廊です。八軒家浜会場は昨日オープンしました。大阪初の「川の駅」ということで,「はちけんや」という建物もオープンしました。テクノロジーを駆使した映像と水と光の幻想的なショーや,朝市などが開催されます。ナイトプログラムでは,水の回廊「時空の架け橋」のメインオブジェとして,高さ数メートルの水を霧状にした水のカーテンを作りました。「大阪の歴史・文化・水辺の生活」をテーマにした映像が映し出され,噴水や光と音楽で演出効果を高めます。霧を利用した幻想的なショーが展開されます。「水都朝市リバーカフェ」のタイトルで中央卸売市場と連携,市場の野菜や果物を福島港や八軒家浜港へ運んで朝市を開きます。中之島水辺会場の「北浜テラス(大阪川床)」では,土佐堀川の堤防の上に京都のような川床を作り,食事をしていただきます。昨年10月に3店舗で試験的に実施していただき好評でしたので,会期中も行います。「水の回廊」は,既に舟運事業の活性化の取り組みが始まっていますが,新たなプログラムで水都大阪の魅力を発信していこうというものです。プログラムの「クルーズ&ウォーク」は,街歩きと川巡りです。’09年を契機に大阪の新しいイメージを展開していく,今年はそのすべてが始まる年です。市民がつくるまちづくりであり,経済界と行政が連携しましょうということです。イベントを実施して終わりでなく,今年は始まる年です。継承・継続がどんな動きになるかというと,3つあります。1つは,新しい試みや社会実験を形にする。2つ目は,新しい仕組みを作る。3つ目は,人のネットワークを財産として生かすといことです。大阪の再生に向けた一過性でないイベントの継続の動きが始まっています。最後に,各企業様のご協賛に感謝申し上げます。