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2003年11月7日(金)第3,998回 例会

ロータリー財団月間に因んで

居相 英機 氏

RI第2660地区ロータリー財団委員長 居相 英機

1941年生まれ。 日本大学卒業。 アベル(株)代表取締役社長。 84年5月八尾 RC入会。 95~96年度クラブ幹事を始め,青少年奉仕・社会奉仕・増強・プログラム・情報各委員長を歴任。 98~99年度2660地区ロータリー財団情報委員会メンバー。 01~02年度同ロータリー財団情報委員長。 02~03年度同ロータリー財団統括会議議長。 03~04年度同ロータリー財団委員長。(無機工業薬品製造)

 財団には入口と出口があり,入口とは寄付,基金を集めることで,先立つものがなければどんな理想も実現できません。資金を使うのが出口で,奨学金の教育的プログラム,補助金の人道的プログラム,ポリオ撲滅キャンペーンのポリオプラスプログラムの三つです。集まった資金は三年後に各地区に配分されます。地区に戻るのを地区財団活動資金(DDF),本部に残るのが国際活動資金(WF)。配分比率は6対4でしたが本年度から5対5に変更され,元通りの地区資金確保には寄付を20%アップする必要があります。

感動の海外派遣

 当地区財団委員会の入口は地区財団情報増進委です。あと三つは出口で,国際親善奨学金,学友委と研究グループ交換委(GSE)・人道的補助金,ポリオ委です。

 教育的プログラムとして奨学生を毎年海外に送り出しています。2004~05年の奨学生候補への第1回オリエンテーションを九月に開き,17人に認定状を渡しました。第2回は来年三月,3回目は同六月に開きます。

 スペインのバリャドリード大学に留学した箕面中央RC推薦の手島君(2001年)の報告は「約一年のスペイン滞在はこの上なく充実したものと胸を張って言うことができます。今はスペイン,日本両国財団関係者の皆さまと,この一年間に知り合った人々への感謝の気持ちで一杯です。現地顧問ロータリアン,フェルナンド氏は帰国前の私を自宅に招待してくれました。そして“私の家はおまえの家でもある。おまえはもうスペインに家を持っているのだからいつでもいらっしゃい”と言って下さいました。感激でした。このような機会を与えて下さった財団への感謝の気持ちを忘れず,経験を生かし,社会に還元していきたいと思います」というものです。

 20数年前アメリカへ留学,現在大阪市立大学教授になっておられる方に,八月の財団セミナーで話して頂きました。「現地ロータリアンの心温まる対応を受け,そこで生まれた人間関係は,その後の人生に数々の恩恵をもたらせてくれました。人の縁がいかに大切なものか,そんなチャンスを与えてもらえた」と述べられ,我々の奨学金制度がいかに素晴らしいか語られました。

 もう一つ文化交流的意味合いのGSEがあります。相互理解と友好親善推進のため,異なる国の個人が知り合い,意見交換する活動です。ホームステイを原則に生活を内部から体験する市民親善大使です。当地区からアメリカ・アーカンソー州第6150地区に参加した八尾中央RCの阪上さんの報告は「私のようなものが社会的地位も高く大きな仕事をされている方々とファーストネームで呼び合い親しくお話できたのはロータリーならではの体験でした。心から光栄に思い感謝しています」というものです。

 すべての参加者が「ホームステイ経験がこれほど素晴らしいとは。4週間で8家庭を移動,一か所3,4日では親しくなる暇もないと考えていましたが,短くても深く心を通わせられるのかと驚くほどホストファミリーは大切な人々になりました。こんな経験ができる旅がほかにあるでしょうか」と同様の感動を口にされます。

地区補助金を活用して

 財団活動の使命は国際的活動にあり,国際問題研究のロータリーセンターが設立され,世界の紛争解決を図る将来の指導者を教育する国際平和奨学生も誕生しています。2000年の管理委員会で財団の使命の中に「地域レベル,全国レベル」との文言が入り,人道的補助金制度が改正され,地区補助金,マッチング・グラント,個人向け補助金の三つになりました。地区補助金はDDFの20%を上限に,地域の社会奉仕プロジェクトに活用できます。利用法も簡素化され,地区ガバナー事務所で申請書を受け付け,二か月に一度審査をし,地区内で決定できるという画期的なものです。初年度7万ドルの枠があり,5万ドルを受領しています。すでに18のプロジェクトが申請され,成果を上げているところもあります。どんなものに活用できるかは,過日委員長会議にミニマニュアルをお渡しし,事務局にも置いて帰りますので見て下さい。

ポリオ撲滅の快挙達成を

 最後にポリオプラスについて話します。世界の偉大な功績は一人の人間のアイデアから生まれると言われます。1905年,ポール・ハリスはロータリークラブという会合を考えました。1917年,アーチ・クランフは社会のためによいことをと財団構想を提唱しました。その活動の最大の功績はポリオプラスではないでしょうか。

 ポリオとは小児マヒのことで,日本では昭和35年北海道夕張に発生,大騒ぎした歴史があります。1985年以来のロータリーのポリオ撲滅活動で,20億の子供に生ワクチンが投与され,残りは1%を切るまでのところに来ています。昨年は「約束を守ろう。ポリオをなくそう」を掲げ,当2660地区は42万3815ドルの募金を集め,日本35地区の中で3番目の成績を収めることができました。ポリオ駆逐の目標は2005年といわれます。全世界の子供からポリオを追放できれば,どんなに素晴らしいことか。

 その年,ロータリーは創設百周年を迎えます。忌まわしい伝染病の天然痘撲滅に次ぐ快挙となるはずです。ポリオを根絶した世界を祝うことができるよう願ってやみません。そのためにも財団は皆さまのご寄付をお待ちいたしております。