大阪ロータリークラブ

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2003年6月20日(金)第3,981回 例会

一年間を顧みて

小林 龍三 君

会 長 小林 龍三

1940年1月1日生れ。'62年慶応大学商学部卒業。ロンドン大学大学院修士課程修了。ミシガン州立大学大学院修士課程修了。 '65~70年三井物産(株)、'75年12月より現職。 '77年10月当クラブ入会、'87~'88年幹事、 '91~'92年理事・国際奉仕委員長。(R財団)マルチプルPHF(繊維工業)

 これが最後の登場かと思いますと、本当に顔がほころびます。この赤いネクタイが、家を出るとき、少々勇気がいりましたが、今の私の晴れやかな気持ちを表しております(笑)。一年間本当にありがとうございました。

原点に戻って簡素に運営

 一年前、会長職をお引き受けするとき、本年度のRI会長のビチャイ・ラタクルさん、あるいは2660地区の井上ガバナーのご両者が、表現は違いますが同じ意味のことをおっしゃっていました。それは「ロータリーの運営は原点に戻ってなるべく簡素に」ということです。私もこの考え方に沿ってやってまいりました。また、RIや地区からの指図よりも「クラブの自主的な発想で奉仕活動をやろう」という考え方に軸足を置いてきました。

 クラブの運営につきましては、1つは、本年度は80周年の記念すべき周年事業の年であり、また、大阪における国際大会も間近に迫っていますので、あまり積極的、盛りだくさんに計画することは避けたい。言い換えますと、「何もせんぞ」ということで臨んできました(笑)。

 その結果、各部門の責任者の皆様方のご判断にお任せすることになりましたが、意外と言うべきか、当然と言うべきか、結構中身のある充実したものになったと私は考えております。これもわれらの大阪RCの強いところで、いわゆるクソ真面目なロータリアンは一人もいませんが、頼まれれば手早く仕事をやってしまう、大変多くの有能なメンバーに恵まれていたからだと思います。この場を借りまして、各理事、各役員、各委員長の皆様方に厚く御礼を申し上げます。

 クラブの運営ということで、まず御礼を申し上げたいのは、最も要であるクラブ奉仕を担当いただきました副会長の小谷さんです。大変な文化人であり、私の代わりにいやな顔ひとつせず、方々の周年事業への代理出席をお受けいただいて、本当に感謝しております。また、クラブ例会の運営では臼井友好委員長さん、本当にご苦労様でした。今年はとりわけ80周年記念例会、記念家族会、家族旅行と重なる記念事業に自らきめ細かく手配していただきまして、大成功に終わりました。また、例会の卓話、田中(太)委員長のお顔の広さで、本当にバラエティーに富んだお話を伺うことができました。

 記念例会では、プログラムの西岡副委員長さん自ら企画に携わられた、「大正デモクラシー」と銘打ったユニークなミニコンサート、あるいはちんどん屋の企画。大変好評でございました。SAAの廣瀬(太)さん、本田さん、出口さん、ニコニコ箱の発表をお聞きのように、本当に努力していただきました。このような努力がなければ、とてもではありませんが、この数字を達成できなかったことと思います。

 SAAにはとにかく声の大きい方を人選したのは正解だったと思います(笑)。ソングリーダーの木川田先生、美声で声量のすばらしいプロフェッショナルの声を真横で聞く、こんな幸せなことはないということを発見いたしました。

「継続は力なり」を実感!

 次に、会員減少が大変心配されている中、増強につきまして江崎さんが私の期待以上の大活躍をして下さいまして、実に今日6月20日現在で期首対比11名増です。今日でわれわれの期は終わりますから、私はえらそうな顔をして11名増と申しますが、6月末には実は11名増でなくマイナス6名になります。これが1週間繰り上げたトリックでございます(笑)。

 次に、各奉仕部門ですが、職業奉仕の横井さん、大変豊富な人脈をお使いになられて職場見学やユニークな卓話に貢献していただきました。国際奉仕ではWCSプロジェクトについて大林(剛)さんにご尽力いただき、青少年奉仕ではライラに能村委員長自らご子息とともにご参加いただきました。また、久しく途絶えていたインターアクトクラブの再開に向け、出口会員の協力を得て取り組みを再開していただいております。社会奉仕の部門ですが、阪口委員長のお世話で恒例の市内RC共同事業である植樹式が行われ、私も出席させていただきました。毎年わずかの植樹ですが継続は力なんだなと、われわれロータリーの目立たない奉仕の成果を知ることができました。

大阪国際大会にご支援を!

 ここで、ロータリー財団についてお話をします。ポリオプラスに対して、完全撲滅のための最後の寄付の要請がロータリー財団よりあり、会員1人当たり日本円で約1万円に近い負担ということでありました。われわれのクラブにおいては、このポリオ寄付について、これまで疑問視する意見も結構あり、今回、当クラブの権威ある医学者の先生方に意見を伺いましたところ、「積極的でなくても協力はすべきである」との意見が多数でございました。

 よって、ご承知のとおり例会では会員個人個人の自由意志での寄付をお願いいたしましたところ、予想をはるかにオーバーし、総計1万ドルを越えるご協力を得ました。いわゆるクラブの予算から自動的にR財団へ寄付をするのでなく、会員のGood Will、善意によってこの種の寄付がなされたことは特筆すべきことではないかと思います。ありがとうございました。また、委員長の石井(通)さんに御礼申し上げます。

 また、今年は80周年ということで、川島委員長を中心に特別委員会を設置して、80周年記念事業を計画しました。その1つがアフガニスタンに学校を建設し援助することで、セーブ ザ チルドレン ジャパンというNGOを経由し事業の内容の透明性を重視いたしました。また、会計の山本さん、毎年お願いしておるのでございますが、来年度より会計監査法人の定期監査のサジェスチョンをいただき、導入することになりました。

 さて、1年後には大阪国際大会が開催されます。今年5月には当クラブとしては多分初めてであろう7人ものメンバーによるブリスベン大会の視察にまいりました。また、この国際大会の実行委員会には古田(敬)、寺田両パストガバナーをはじめ、10名近い会員のご協力をいただいております。今後とも、地元クラブとして一層のご支援をちょうだいすることになろうかと思います。

フレッシュな新会長に期待

 最後になりましたが、幹事の江藤さん、本当にありがとうございました。ほとんどの仕事は幹事さんが処理してくれるので、心強い限りでございました。

 また、事務局の皆さん、御礼申し上げます。なお、20数年間事務局長をしていただいた長安公子さんは、この6月末をもちまして定年退局されます。歴代の会長・幹事は、あなたのサポートがなければ、黒子のいない文楽人形状態だったと思います。幸い今後はアドバイザーとしてお手伝いいただくことになりますが、とりあえず「長い間ご苦労さまでした」と御礼申し上げます。

 さて、来月から待望の岸本新会長の出番でございます。皆様、先刻ご承知のように先生は世界的に有名な免疫学の大家ですが、数日前の新聞記事に「学長現場に戻る」と紹介されていたように、異例の現場復帰、教授就任をされます。このようなフレッシュな感覚を持つ大学者を、7月から会長にお迎えすることは、本当にすばらしいことだと思います。ご健闘をお祈り申し上げ、私の退任のご挨拶とさせていただきます。1年間どうもありがとうございました。(拍手)

感謝の言葉

直前会長 文箭 安雄

 昔の名前で出てまいりました(笑)。小林(龍)会長、そして幹事・理事・役員の皆様、1年間本当にありがとうございました。 会長は、ご就任される前に、「私は、大阪RCの80年の歴史と、来るべき国際大会の谷間に、ひそやかに咲く山百合の花のような存在ですね」とつぶやいておられました。こういうときに会長の選択は、「新しいことはやらない、変わったこともやらない。ただひたすらロータリーの原点に戻って、自主的に国際貢献をして、21世紀にふさわしいロータリーの器をつくるときである」というぐあいにおっしゃったわけでございます。大変英知に富んだ優れた会長でございます。

 小林君は37歳でご入会になりまして、その後1987年には幹事として、長安さんを頂点とするすばらしい事務局をつくっていただきましたし、1991年には理事・国際奉仕委員長としても活躍されました。今回の国際大会では、千玄室大会委員長、近藤実行委員長とともに事務総長補佐という要職についておられます。実力があるのになぜ補佐なのかと申しますと、ガバナー経験者でないと総長になれないのです。こんなお話をしておりますと、私は、近い将来小林(龍)君にはどうしてもガバナーになっていただきたいなという気持ちでいっぱいでございます。(拍手)

 シェイクスピアはこういう言葉を残しております。「人生は回り舞台。役が終われば去らねばならない」。きょうをもって、小林会長の時代は終わるわけでございます。もう一度皆さんとともに、「本当にありがとうございました」と申し上げて、私のささやかな御礼の言葉とさせていただきます。(拍手)

卓話者紹介 : 1930年生れ。'53年大阪大学経済学部卒業。'85年コスモ證券(株)代表取締役。 '02年6月,日本ベンチャーキャピタル(株)会長。'85年12月当クラブ入会。PHF・米山功労者 (投資業)