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2025年1月10日(金)第4,948回 例会

ニュー イヤー コンサート ~春の喜びを歌に乗せて~

メゾソプラノ歌手
馬場菜穂子
ピアノ伴奏
寺嶋 千紘
解 説
米田 哲二 君(音楽)

 (米田会員)メゾソプラノの「メゾ」は,イタリア語で「半分」という意味です。高い声がソプラノの半分なので,ソプラノの要素もあり,低い声も出るため,ソプラノよりもふくよかな声です。本日は馬場さんの奥行きのある深い声,叙情的な声をお楽しみください。

・ドイツ歌曲
♪「我が恋は緑色」 ブラームス作曲


 (馬場氏)私は8年間オーストリアのザルツブルクにおり,その後1年半,ドイツの小さな町の劇場で働き,2023年7月に日本に帰りました。長くドイツ語を話していたので,ドイツ語の歌曲からスタートいたしました。
 今の曲は,実は5月ぐらいに歌われます。新しい緑が芽吹き,その勢いとともに自分の恋心もふくらんでいくという歌です。新年のスタートにもふさわしいと思って歌いました。
 次の曲は全く毛色が変わります。故郷から何十年も離れていて,ふと帰りたいと思っても,なかなか簡単には帰れない。子供の頃,お母さんに手を引いてもらった,純粋なあの時間が,遠くにいるとふと懐かしくなった,という気持ちを歌っています。


♪「郷愁Ⅱ 私が帰り道を知っていたなら」 ブラームス作曲

素晴らしいピアノでした。寺嶋さんは大学院の同級生で,去年20年振りに再会しました。

・日本歌曲

 続いて日本歌曲を2曲お聞きください。♪「すずしきうなじ」は歌の中に水仙の花が出てきます。花を思い浮かべると,うなじが涼しくきれいに,たたずまいも美しく,派手ではなく,スーッと品のあるように立っています。2曲目は雰囲気が変わり,昭和の古き良き時代,アスファルトの舗装がされてない路地で,子どもたちが無邪気に遊んでいた風景です。

♪「すずしきうなじ」 中田 喜直作曲
♪「路地の子」 團 伊玖磨作曲

 團伊玖磨は♪「ぞうさん」の曲が有名ですが,こういう面白い曲も書いています。
 日本歌曲をもう1曲,お聞きください。この♪「落葉松(からまつ)」は軽井沢の落葉松に霧雨が音もなく降る情景を歌っています。


♪「落葉松」 小林 秀雄作曲

 「これで終わってもええんちゃうかな」と思いながら歌っていました。いい曲ですよね。

・オペラアリアとアンコール

 最後はアリアを1曲お聞きください。オペラ「サムソンとデリラ」の曲です。男性を歌で魅了する曲ですので,頑張って歌います。

♪「私の心はあなたの声に花開く」 サン・サーンス作曲

 アンコールを1曲。今年もいい年になればいいな,皆様の一日一日が充実した日々になったらいいな,と思って歌います。

♪「愛燦燦(あいさんさん)」 小椋 佳作曲

(拍手)ありがとうございました。

出演者プロフィール
馬場菜穂子氏(ばば なおこ):

メゾソプラノ歌手。大阪教育大学教育学部教養学科芸術専攻音楽コースを卒業後,京都市立芸術大学大学院を修了。さらにザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学大学院課程(Postgraduate)オペラ科を修了。2014年に渡欧し,ザルツブルクを拠点に活動。その後バイエルン州立コーブルク劇場オペラ合唱団員を務め,’23年に完全帰国。これまで淵脇和範,三井ツヤ子,M. Diaz,H. Keckeis,J. Wallnig各氏に師事。一般社団法人日本シューベルト協会会員,公益社団法人関西二期会準会員。

寺嶋 千紘氏(てらしま ちひろ):

ピアニスト。神戸大学卒業後,渡独。ハンブルクのInternational College of Musicを最優秀の成績で卒業。その後リューベック音楽大学で研鑽を積み,ドイツにてソロCDを制作。テラモ国際音楽コンクールにおいて第1位を受賞。ハンブルクと大阪でソロリサイタルを開催。帰国後,京都市立芸術大学大学院を修了。日本センチュリー交響楽団とシューマンのピアノ協奏曲を共演。姫路パルナソスホールのチェンバロ講座上級コースを修了。主にアンサンブル・ピアニストとして活動。