大阪ロータリークラブ

MENU

会員専用ページ

卓 話Speech

  1. Top
  2. 卓話

卓話一覧

2004年1月9日(金)第4,006回 例会

ニューイヤーコンサート


最近古典音楽ブームといわれていますが,お二人はそんな時流のはるか以前から素晴らしい演奏を続けられている,世界でも数少ないスペシャリストのご夫婦です。
演奏者プロフィール
ソプラノ:
平井 満美子 (ひらい まみこ)

神戸女学院大学音楽学部声楽科卒業。
卒業後,古楽の演奏に興味を移し研究,中世よりバロックまでのレパートリーを持つ,数少ない古楽の歌い手として活動。新聞・音楽誌等にて高く評価されている。


アーチリュート・解説:
佐野 健二 (さの けんじ)

英国,ギルドホール音楽院首席卒業。
ルネサンス・バロック期の撥弦楽器を中心に,独奏・伴奏・通奏低音奏者として活動。そのレパートリーは民族音楽より現代音楽にまで及んでいる。


アーチリュートは日本の琵琶を大きくしたような珍しい楽器です。ルネサンス時代に愛好され,ルーツはアラブです。十字軍により西方に伝わってリュートに,東方に伝わって琵琶になったのです。音域,音程が豊かなため17世紀の中世ヨーロッパで大流行しました。リュート奏者は王侯貴族に抱えられ,宮廷音楽家として一世を風靡していたようです。18世紀になりオーケストラが大型化すると使われなくなりましたが,20世紀に再び復活するという経過をたどっています。リュートは強くも弱くも弾けます。独奏も伴奏もできるのが魅力です。17世紀にイタリアでオペラが始まり,低い音を増やしていきました。今日私が演奏するアーチリュートは14弦あります。


「そよ風ふけば」 フレスコバルディ作曲
「アマリリ麗し」 カッチーニ作曲
ともにイタリアの曲です。「アマリリ麗し」はバロックの名曲として現在でもピアノ伴奏でよく歌われますが,もともとはリュートで歌われていました。

「つかの間の音楽」  「グラウンド」  「沈黙の闇の国から」 
ヘンリー・パーセル作曲
バロック時代を代表するイギリスの大作曲家パーセルの3曲です。一般的にイタリア語は音楽に乗りやすく,英語はなじみにくい言語とされています。パーセルは英語の美しさを音楽に巧みに取り入れ,きれいなメロディーをつくる才能があった人です。
「つかの間の音楽」は劇音楽です。「グラウンド」はピアノに似た鍵盤楽器のチェンバロのためにつくられましたがリュート独奏で聞いて下さい。「沈黙の闇の国から」は,この世が嫌になって死んでしまったのだけど,あの世はこの世よりドロドロしていると嘆くファンタジーな曲です。

「喜べシオンの娘」 モンテヴェルディ作曲
一応イタリアの宗教曲とされ,堅苦しいイメージがありますが,音符が楽譜の中で絵を描くように進んで行き,いたずらを交えて音が遊んでいるような曲です。