1943年5月生まれ。’66年慶應義塾大学法学部卒業後,西ドイツ(当時)に渡り,ブレーメン音楽院を経てベルリン音楽大学を’71年卒業。初めクラリネット奏者として日本国内外で活躍,’76年頃から指揮者として活動の幅を広げ現在に至る。神戸フィルハーモニック音楽監督兼常任指揮者。’73年当クラブ入会。副S.A.A., プログラム委員長など。
今日は私ども,神戸フィルハーモニックのメンバーのうち,フルートの女性5人の助けを借りながらミニコンサートを行います。
健康サプリといえば,ヒアルロン酸などがありますが,本日は音楽でリラックスしていただけたら,疲れも取れやすいと思います。
まず最初にフルート3名で演奏します。イギリスの作曲家エドワード・エルガーが作曲したもので,題名は「Salut d’ amour」。フランス語で「愛の挨拶」という意味です。小さなアンサンブルのために書かれたもので,フルート3名で演奏します。
演奏 ♪エドワード・エルガー「愛の挨拶」♪
奏者の紹介をしておきます。審良彰子,久保田裕美,松林靖子と申します。
オーケストラの中のフルートは,普段はオーケストラのちょうど真ん中あたりに座って演奏します。
次は,1人増え,4名で演奏します。上野明子が出てまいります。ポピュラーな曲を聴いていただきます。
バート・バカラックの演奏で,映画の主題歌にもなった「Raindrops Keep fallin’ On My Head」という曲です。日本語の題名は「雨にぬれても」。ずっと私の頭に雨が降り続ける,という意味です。「明日に向って撃て」という1960年代の映画の主題曲で,バカラックが,これでアカデミー賞を取り,名を成したことで有名な曲です。
この曲をフルートの四重奏で,ちょっとアレンジを加えたものを聴いていただきます。
演奏 ♪バート・バカラック「雨にぬれても」♪
私どもは,16年前の阪神大震災で被害を受けました。今回の震災,われわれはとても特別に感じております。何とかしないといけないと思っており,神戸で,関西で,一生懸命われわれの与えられた仕事,音楽を通して皆さんを慰めさせていただき,思いを東北に向けていくことにしました。いつも心に太陽を,唇に歌声をという気持ちを忘れないでいこうということです。
次は,「シング」という曲です。そのものずばり「歌おう」という曲で,ヒットしたアメリカのポップスです。カーペンターズという2人組がヒットを飛ばした曲です。これをフルートの四重奏で聴いていただきます。
演奏 ♪カーペンターズ「シング」♪
話は変わります。私たちは,ロータリーソングを毎回歌いますが,童謡が出てくると,皆さんのお声が一段と大きいのです。童謡は小さいときの経験でたくさん知っている方が多いからだと思います。きょうはぜひ童謡を聴いていただこうと思います。「ゆりかごの歌」と「かくれんぼ」です。
「ゆりかごの歌」は,北原白秋が詩を書いて,草川信という人が作曲した曲です。
「かくれんぼ」は,「かわいいかくれんぼ」というのが正式な名前ですが,これは昔からの歌です。ですから,誰が書いたかわからないのです。編曲して聴きやすくしたのが中田喜直という作曲家です。この2曲を続けて聴いていただきます。奏者交代いたしまして,上野明子から藤原法子に代わりました。
演奏 ♪草川信「ゆりかごの歌」♪
♪中田喜直編曲「かくれんぼ」♪
さて,オーケストラとは何かとご説明申しますと,いっぱい楽器が並び,大勢でわんさかやるということです。一つの楽曲を多人数,いろいろな楽器を持った人間が,それぞれの役割を適正にといいますか,しっかりと音楽性を持って統一をとった形で演奏して成り立つ合奏隊である,ということになります。それぞれの持ち分の責任をちゃんと果たして,お互いに連係プレーをしながら,いい演奏を目指して一つの音楽をつくっていくということを目的とした楽団というか,団体です。
その中のメンバーがきょう5人で演奏しているわけで,最後の2曲はこの5名による演奏を聴いていただきます。
最初はチャイコフスキー,オーケストラの曲になります。チャイコフスキーが書いた「くるみ割り人形」というバレエの曲があります。これはクリスマスのときに演奏され,聴いていただくのは「アシ笛の踊り」という,フルート3本で演奏するオーケストラの曲です。今日はフルート5名で,そっくりそのままオーケストラの曲として聴いていただきます。
演奏 ♪チャイコフスキー「アシ笛の踊り」♪
では,最後の曲です。皆さんよくご存じのモーツァルトの「アイネ クライネ ナハトムジーク」。これはドイツ語で,訳しますと「セレナーデ」「一つの小さな夜の曲」ですが,昔は「小夜曲」と言っておりました。普通は弦楽器で演奏しますが,きょうはフルート5名で1楽章だけ演奏します。これを演奏して,終わらせていただきます。
演奏 ♪モーツァルト「アイネ クライネ ナハトムジーク」♪