大阪観光局は昨年4 月に発足しました。オール大阪を代表する唯一の観光振興組織です。2020年の来阪外国人旅行者数650万人が目標です。昨年260万人，今年320万人，2016年には450万を目指しています。

4つの「業績評価指数」

　観光では「業績評価指数」4つを掲げました。「来阪数（インバウンド）」。外国から大阪に来る来阪者数を高めていかなければお話にならない。「観光収入」。大阪で過ごす時の消費額と経済効果。「大阪滞在日数」。これが長ければ長いほどお金が落ちます。そして，「大阪の満足度」。満足度を測るのにはいろいろありますが，実際に外国人の動向調査をやっています。

　施策ですが，第1 番目に「リサーチデータに基づくマーケティングの強化」。大阪を売るマーケットを知ることです。第2番目は「世界に向けての情報発信」。第3 番目に「ホスピタリティーマインドの共有」です。

　「リサーチデータに基づくマーケティングの強化」では昨年4 月15日～ 7 月15日の87日間，関西国際空港で外国人約4,650人の動向調査を行いました。大阪滞在中に使用した金額は6 万9,112円，平均滞在日数4.6日間，大阪の満足度も非常に高い数字でした。しかし，外国人からの主なコメントは「大阪のイメージがよくわからない」「大阪の広告を見たことがなく，情報がない」などと言ったものです。 一番われわれがうれしかったコメントは「大阪は人が親切だ」「食べ物がおいしい」で，これは観光のホスピタリティーとしては一番大切なことです。

　次に「世界に向けての情報発信」では，現在27カ国，14言語，87媒体，15番組・プログラムというような形で進めています。トータルページ数は，A4 のサイズで何と287ページ。「大阪のキャッチコピーの知名度・認知度向上」のために「ASIAN GATEWAY OSAKA」というロゴを世界に向けてつくりました。これは「大阪はアジアの玄関口」という意味です。私の胸にも「ASIAN GATEWAY OSAKA」のバッジをつけております。

世界で広がる観光

　「世界全体の観光」について見ていきます。2010年では世界全体で9.4億人が観光で動いています。2020年は13.6億人。これは非常にミニマムな数字ですが，北アジア，東アジアの伸びは23.4％の3.18億人，2030年には18.1億人で，うち4.8億人が北アジア，東アジアです。また，ご存じのようにムスリム，いわゆるイスラム教の人たちが2 億人という形で世界を動いています。

　次に「外国人旅行者受入数の国際比較（2012年）」ですが，一昨年の数字で日本は何と世界で33位の836万人。アジアでは8 位です。フランス，アメリカ，中国，スペイン，イタリアに比べますとまだまだ低い。

　「2013年の訪日外国人の旅行者数」は1,036万人ですが，そのうちの65％が韓国，台湾，中国，香港の4 地域で占めるわけです。この1,036万人という大きなロットですが，関西国際空港に外国人の旅行者はどのくらい来ているのでしょうか。2013年1 月～12月までですが累計で232万6,000人。前年同期と比べますと約30％アップしております。

　次に「ターゲット市場の位置づけ」ですが，われわれはこのマーケットをよく理解し，新興市場・成長市場・成熟市場に分けてそれぞれの投資を変えていこうと考えています。

大阪を売り込む

　「インバウンドのための戦略的組織改革」ですが，先ほども申しましたように関空で，それぞれの地域の方が何を欲しているのかの動向調査を行っております。東南アジア，中国の方は日本人の若い女性の美白，女の子のヘア，ファッションに非常に関心を持っていてスギ薬局さんとか，ダイコクドラッグさんとか，ああいうところに行って基礎化粧品をバンバン買っていくというようなことを聞いております。

　また，「インターネット戦略（Wi-Fi環境の整備）」ですが，これは現在の観光にとって 非常に大切です。大阪の発信力，認知度を 高める集客の仕掛けも必要です。2013年12 月14日～ 2014年2 月16日まで行いました 「大阪城3 Dマッピング スーパーイルミネー ション」には何と59万人が来ました。非常に うれしい話ですが，4 月26日～30日に国連 ユネスコ主催・大阪府共催で「大阪国際音楽 フェスティバルInternational Jazz Day」が 開催されます。日本で初めて，この大阪で 「International Jazz Day」が行われます。

　伝統文化である日本三大祭りの「天神祭」， 「だんじり祭り」。また，大阪が誇る美術館・ 博物館をもっともっと海外に情報発信してい きたい。「修学旅行・教育旅行」にも力を入れ ております。「MICEの誘致，インセンティ ブツアーの支援」もやります。「MICE」とい うのは，ミーティング，インセンティブ，コ ンベンション，エキシビションという形です。

　それと何と言っても，「訪日大阪観光の3 つの価値」として「大阪人の気質」「大阪人の 作品」「大阪人の生活」，いわゆる大阪人を切 り口として大阪を売っていきたいと考えてお ります。すばらしいものが大阪にあります。 「観光」は「光を観る」と書きますが，この光は 誰が放つのか。人間が放つ，大阪人が放つ光， これを観てもらいたいということです。

　最後にわれわれが誇る大阪のすばらしいホ スピタリティー，大阪のおばちゃんに「大阪 おもてなし観光大使」になっていただきます。 私が1 万人のおばちゃんたちをまとめて，「お もてなしの検定試験」を受けてもらい，英語 も学んでもらいます。これが大阪です。ぜひ 世界に出していきたいと考えております。

（スライドとともに）