姉妹クラブのメルボルン ロータリークラブ(以下MRC)の創立90周年の式典に、伊藤勲会長の依頼により会長代理として、元理事・国際奉仕委員長の樋口信治会員と共に行きました。
MRCの最初の昼食会は1921年4月21日(木)13時、場所はスコッツ・ホテルであったとMRCの史書にあります。シドニーに先んずること僅かですが、オーストラリアで初めてのRCで、会員数は38名で出発とあります。1921年(大正10年)は、その3年前に第一次世界大戦が終結し、平和が戻り人々がホッとした時期でした。日本でも大正デモクラシーと言われ、大阪RCは、その翌年に誕生しています。
今回の90周年記念晩餐会は、5月23日(月)、メルボルンのクリケット・クラブで行われました。市の中心地に近い公園の中に、観衆10万人が入る巨大なクリケット場、兼オーストラリア・フットボール場があります。その建物の中に、500人近い人が会食できるホールがあり、そこで行われました。儀式は簡素で、国歌斉唱、牧師祈祷、乾杯(地区ガバナー)、MRC会長、フィリップ・エンダスビーの挨拶。食事中に、ビデオによるレイ・クリンギンスミス国際ロータリー会長の祝辞、続いて同じく、ビデオによるMRCの活動の歴史。外部からの祝辞は一人。オーストラリア総督、クェンティン・ブライス(女性)さん。
90年前の英国統治下ならいざ知らず、現在でも女王陛下の代理たる総督が存在しているとは。今は名誉的地位で、オーストラリア人が任命されているとのこと。平和の推進と格差の縮小に奉仕するロータリークラブを賛美した挨拶も見事な雄弁でしたが、ご本人の容姿も60歳前後ながら、とても優雅で美しい知的な方でした。女権擁護で名高い弁護士、教授だそうです。
あとのアトラクションは、ロータリー奨学生だった人を含む女性オペラ歌手四人の出演でした。その前に、樋口信会員と私が登壇して、大阪RCからの贈り物であるガラスの楯を会長に進呈しました。
「我が大阪RCは、第二次世界大戦の時、ロータリー活動はアメリカ主導ということで、禁止されましたが、別の名で会合を続けておりました、必ず平和が来ると信じて。楯は小さなものですが、このような私達の精神が込められています。」と、短いスピーチをしました。演出の中で、印象に残ったのは晩餐会の間、窓を通して向こうの無人のグラウンドにあかあかとナイター照明が入っていたことでした。
(2007~08年度会長 小谷 年司)