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2021年10月15日(金)第4,807回 例会

ワールドマスターズゲームズ2021関西 関西の活力復活に向けて!

中 塚  則 男 氏

(公財)ワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会
事務局長
中 塚  則 男 

1953年兵庫県生まれ。’78年京都大学法学部卒業,兵庫県入庁。2007年兵庫県企画県民部政策局長,’09年政策参事,’10年但馬県民局長,’11年関西広域連合本部事務局長。’18年(公財)ワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会事務局長就任,現在に至る。

 まだまだ知名度が足りないと言われていますワールドマスターズゲームズの楽しさを皆さんに知っていただき,できればご参加いただけるべくお話をしたいと思っています。今回の「ワールドマスターズゲームズ2021関西」については,関西広域連合という自治体の連合体と関西財界ががっちり手を組み,関西浮揚のために誘致することを決断しました。そういう背景についてもお話しいたします。

誰もがメダリスト候補の大人の五輪

 ワールドマスターズゲームズについて,私たちはよく「大人のオリンピック」という言い方をします。この大会には大体3つの誤解があります。まずはゴルフのマスターズを想像されて,かなりの上級者が参加する,60歳以上の大会かと思われています。ここでいうマスターズとは成人された方,社会経験を積んだ方,そういう人生の達人の方々ですから,概ね30歳以上でしたら誰でも参加できます。
 2つ目の誤解が,「国別の予選はないのか」というものです。一般のスポーツ愛好家が参加する大会ですので,予選はありません。エントリー料金さえ払っていただければ参加できます。3つ目は「観客はどうなるのか」というものです。この大会には観客という概念はありません。ギャラリーはいても構いませんが,最初から入場料を取って観客を入れるということは考えていません。友人や家族と一緒に参加できるという仕組みを用意するところに特徴があります。
 関西大会のエントリー料金は,例えば日本の方が参加する場合は15,000円と設定し,5種目まで競技に参加できます。家族,友人として一緒に動くという方は,5,000円払っていただければ,開会式や閉会式などのイベントに参加できます。
 関西大会では5万人の参加を目標に掲げており,5歳刻み,そして熟練度に応じた階層を用意しますので,1万ぐらいのカテゴリーがあります。それぞれのカテゴリーに金・銀・銅のメダルがあることから,少し努力すれば誰もがメダリストになることができます。

関西の経済効果は900億円

 スポーツには,「する」「見る」「支える」という3つの喜びがあると言われています。オリンピックはどちらかというと,「見る」ことが中心ですが,マスターズゲームズは,「する」のがメインです。さらに「集う」「巡る」というのも大きな特徴です。
 スポーツに参加して真剣に競技に取り組み,アフタースポーツでは家族,友人と一緒に開催地周辺をしっかり観光して楽しんでいただく。そういうものがワールドマスターズゲームズの最大のコンセプトであると思います。関西で財界と自治体が一緒になって誘致を決めた最大の理由は,「スポーツツーリズム」の日本発祥の地となり,関西大会を成功させて経済効果につなげていこうというものです。
 これまでの大会は,一つの開催都市の中で完結していましたが,節目の10回目となるアジア初の関西大会では,人口2,000万人の関西全域で競技を分散して行うという,非常にチャレンジングな大会となります。関西全体のツーリズムの底上げにつなげ,一つのレガシーとして残していければと期待しています。
 経済効果の観点では,過去の大会を分析しますと,参加者の過半数が年収10万ドル以上で,国外からの参加者は15.8日間滞在します。また参加者1人あたり同行者は平均2人で,家族や友人と一緒にツーリズムを楽しんで帰っていきます。関西大会が実現すれば,相当な経済効果が見込めるということになります。試算では,1,461億円の経済効果があり,このうち関西では900億円という数字をはじいています。

スポーツツーリズムをレガシーに

 関西大会は来年の5月開催を予定し,開会式は京都,閉会式は大阪ということで,17日間の長丁場を用意しています。35競技59種目は過去最多で,オリンピックの競技よりも多く,150ヵ国・地域から2万人,国内3万人の計5万人という,過去最多の参加者数を目指しています。
 関西には文化や歴史を味わえる多くの観光資源があり,各府県や政令市ごとに観光プランをつくっていただいています。関西大会を一過性のものに終わらせず,生涯スポーツのメッカとして,関西を普及させていこうと,レガシー創出の委員会をすでに立ち上げています。特に観光・文化・スポーツを組み合わせた新しいツーリズムの取り組みをいろいろと仕掛けていきたいと考えています。
 関西大会では,企業や自治体といった組織としての参加を受け入れる仕掛けを始めています。例えば事前に企業として登録いただければ,その企業から一定の数の参加者が得られた場合は何らかの特典をお渡ししようと考えています。すでに40近くの企業・自治体が登録し,社員向けの健康対策などの一環として取り組みを進めていただいています。関西大会の特徴として,今後の新しい企業文化,組織文化のレガシーとなるのではないかと考えているところです。
 関西発の新しいマスターズゲームズ文化を,日本だけじゃなくてアジアにも普及させるという壮大なプロジェクトです。ぜひ皆さんにもご参加いただければと思います。
(スライドとともに)