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2018年5月18日(金)第4,670回 例会

ピアノで贈る思い出のメロディー

林  そ よ か 氏

作・編曲家/ピアニスト 林  そ よ か

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業,同大学院音楽音響創造分野修了。卒業時に同声会賞受賞,また大学院修了時に大学院アカンサス音楽賞受賞。幼少期よりヤマハ音楽教室にて作曲を始め,ヤマハインターナショナルJOC,同ハイライトコンサート,シティコンサートなどで自作曲を演奏。第9回PIARAピアノコンクール全国大会最優秀賞及びグランプリ受賞。大学在学中の2010年に自身のアレンジとピアノ演奏による「桜ピアノ」でデビュー。

 作曲家としてクラシックの名曲を演奏していると,その曲のイメージがふくらみます。イメージをさらにアレンジして演奏しているうち,私だけのアレンジバージョンで演奏することが多くなってきました。クラシックに詳しい方は,原曲の雰囲気と違って少し驚かれるかもしれませんが,林そよか版のクラシックアレンジで演奏したいと思います。ご挨拶がわりにエルガーの「愛の挨拶」をお弾きいたします。

 ♪エルガー:「愛の挨拶」

 少しジャズ風にアレンジしてみました。私は箕面市の出身で,全国で演奏,作曲,編曲の活動をしています。4歳からピアノを始め,最初の夢はピアニスト。中学生のときに初めて宝塚歌劇を見て,感動してタカラジェンヌに憧れたんですけれども,歌もダンスもやったことがなかったので,その夢はすぐに消え,宝塚歌劇に私が加わることができるとしたら,作曲しかないと思い,作曲家を目指すようになりました。宝塚の夢は叶っていないんですけど,いつか宝塚の曲を作曲したいなと思っております。

作曲家, 演奏家として

 大学は作曲科を卒業し,在学中,バイオリニストの高嶋ちさ子さんのお父様,高嶋弘之さんの音楽事務所に入ったのがきっかけで,音楽活動をするようになりました。最近では,チェロをしております姉と,姉妹でのピアノとチェロでの活動や,昨年8月に大阪のいずみホールで,こちらの会員の藤岡幸夫さんの指揮による関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏で,私の「弦楽と打楽器のための“Fantasia”」の初演をしました。その様子がこちらの写真です。音源を持ってきましたので,BGMがわりに流してみたいと思います。

 (演奏の映像)「弦楽と打楽器のための“Fantasia”」

 藤岡さんから「弦楽器の合奏と打楽器による楽曲を作曲してほしい」と依頼を受け,今お聞きいただいているのは,最終楽章4楽章の楽曲です。コンサートの模様は,藤岡さん司会の「エンター・ザ・ミュージック」というBSジャパンの番組でも放送,YouTubeでも番組の全編がご覧いただけますので,ご覧いただければと思います。

 最近のちょっと変わった仕事としては,NHKの朝ドラ「半分,青い。」で,原田知世さん,佐藤健さんといった役者さんへのピアノ指導。関わった回には,オープニングで「ピアノ指導・林そよか」と名前が表示されますので,ご覧になっていただければと思います。

 次の曲は,スメタナ作曲の「モルダウ」,そして映画音楽メドレーです。「モルダウ」はモルダウ川の壮大な雰囲気をピアノのアレンジで演奏したいと思います。映画音楽メドレーは,「ムーンリバー」「ひまわり」「オーバーザレインボー」です。

 ♪スメタナ:「モルダウ」

 ♪映画音楽メドレー:「ムーンリバー」

  「ひまわり」「オーバーザレインボー」

映像の見え方を変える音楽の力

 次も映画にまつわる音楽です。スクリーンを使った映像と音楽の試みです。大学院で,映像と音楽の関わりを研究し,いくつか映像のための音楽を作曲しております。映画の音楽が変わることで,映像の見え方とか印象がガラリと変わるということを皆さんに体感していただきたいと思います。映画「ローマの休日」のワンシーンを使いますが,最初に,オリジナルの音楽を映像と共に聞いていただきます。その後,同じ場面を,私が三つの異なるイメージで作曲したものを映像と合わせて演奏してみたいと思います。

 (映像「ローマの休日」とオリジナル音楽)

 楽しい感じにするとどうなるでしょう

 (映像「ローマの休日」と楽しいアレンジで)

 雰囲気を変えてスパイ風にしてみると

 ( 映像「ローマの休日」とスパイ風のアレンジで)

 さらに,思い出風にしてみましょう

 (映像「ローマの休日」と思い出風のアレンジで)

 音楽が変わることによって見え方が変わることを体感していただけましたでしょうか。

広がるアレンジの魅力

 次はモーツァルトの楽曲です。1曲目は「トルコ行進曲」。この曲はファジル・サイという有名なピアニストがジャズ風にしたり,ヴォロドスというピアニストの超技巧バージョンも存在しております。私なりにアレンジしたものを演奏します。

 ♪モーツァルト:「トルコ行進曲」

 (「ブラボー」の声)

 最後の曲ですが,同じくモーツァルトの「きらきら星変奏曲」で,皆さんもご存じの「きらきら星」のメロディーがどんどんと変奏,つまりアレンジされて演奏されていくという曲です。いろいろな作曲家がこの「きらきら星変奏曲」を変奏するとどうなるかということをテーマにつくってみました。ゆっくりとお楽しみください。

 ♪モーツァルト原曲:「きらきら星」

 第1 変奏 モーツァルト

 第2 変奏 ベートーベン風

 第3 変奏 チャイコフスキー風

 第4 変奏 シューマン風

 第5 変奏 リスト風

 最終変奏

 (映像・スライドとともに)