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2013年12月13日(金)第4,467回 例会

毎日5分の新ゴルフ生活習慣

大 東  将 啓 氏

プロゴルファー 大 東  将 啓 

1958年生まれ。大阪府出身。’90年プロ入り,PGAティーチングプロA 級。2003年日本人プロゴルファーで初めて博士号を取得。これまでに通訳や翻訳を通じて100人を超える世界の著名なティーチングプロの理論を研究。「ゴルフホームドクター」を主宰し,アマチュアゴルファーの指導に当たっている。

 昨日,宮崎から帰って来ました。全日本エージシュート全国大会があって,練習ラウンドで一緒に周ったのが,植杉乾蔵さん。熊本出身で大正12年12月1 日生まれの90歳です。去年はゴルフを180回されました。ゴルフをするだけじゃなく,カートを使わず,すべて歩くんです。180回のラウンドのうち,150回がエージシュート(年齢以下の打数でホールアウトすること)です。今1,150回ぐらいのエージシュート,日本で一番の人です。

 この人はトレーニングされていない。ゴルフ場に行くのが健康法。60歳から本格的にゴルフを始められたのですが,60からでも遅くない。「反射神経も動体視力」も要らないからです。ゴルフのボールは止まっていて,逃げない。反復練習をして,同じ動きを毎回,毎回できれば勝ちなんです。

「握り慣れ」と「振り慣れ」を

 まずは,座りながらクラブを1 本持ち,ひじを曲げた状態で,垂直になった状態で握ってみてグリップを確かめてみる。お箸を持ってご飯を食べるように,先端に意識を向けていろいろな動きをやってみる。8の字を描いたり,自分の名前をヘッドで書いてみたり。すると「握り慣れ」という効果が出てきます。リビングに1本,トイレに1本,お風呂場に1本,寝室に1本クラブを置いて下さい。握り慣れていただいて,お箸のように自分のグリップをいつもできるような形にする。

 その次が,「振り慣れる」です。毎日,素振りをするんです,3分間やると汗だくです。体に覚え込ませたら勝ちです。

 体力測定をやってみたいと思います。一番分かりやすいのは,片足で目を閉じて何秒立てるかという「閉眼片足立ち」です。平均値は,40歳男性が32秒,50歳が16秒,60歳が8秒,見事に半減していきます。バランス感覚は年齢とともに衰えてきます。これをキープする方法はいっぱいあります。

 皆さん椅子に座っていますが,立ち上がる時に片足で立って下さい。そのままゆっくり座って下さい。反対の足でもやって下さい。会議の後などに毎日やる。これだけで大腿四頭筋とハムストリングス(太ももの裏にある筋肉の総称)が鍛えられます。1日20~30回,日常生活に取り入れるだけで,平衡感覚,バランス,土台を強くすることもできます。これが斜面からのショットに効果的です。

肩甲骨と股関節がポイント

 次は一番大切な「肩甲骨と股関節」の2大要素です。ゴルフは捻転,回転を伴ってパワーを蓄積し,それを開放する運動ですが,若手プロは左のひじが伸びています。シニアプロは曲がったトップになってます。これは肩甲骨です。肩甲骨の可動領域が狭くなってしまう。日常生活の中で,ひじが頭より上に上がる動作というのは皆無です。だから肩甲骨が硬くなってしまう。

 背中で合掌ができるかどうか,やってみて下さい。パソコンに向かっている時は,肩が「囲い込み肩」になっている,肩が前に出る。胸を張る作業がない。だから,背中で合掌,或いは手の平を正面に向けておいて,肩よりも後ろ,いける所までいく。これで15秒我慢して下さい。テレビを見ながら,CM1本の時間ぐらいグーッと。これだけでかなり広がってくる。肩甲骨を柔らかくすると,トップオブスイングの左肩の入りがよくなります。

 座った状態で結構ですが,トップの形をつくってみて下さい。足を広げて,ちょっと前傾して,左肩があごの下まで入りますか。これも15秒我慢する。これをスタティック・ストレッチと言います。停止した状態でいかに我慢するか,痛(いた)気持ちいい状態です。

 猫背になるとバックスイングで手を上げがちになりますが,胸を張った状態で構えると懐が広がって,大きなボディースイングのトップオブスイングで理想的な形になります。そうすると昔の飛距離に戻すことができます。

 次は股割りです。四股を踏むのは,相撲だけではなくて,すべてのスポーツにいいと言われています。バックスイングで右の股関節に体重が乗ってくる人は案外多いんですが,ダウンスイングからインパクト,フォローにかけて左の股関節に体重が乗る人は非常に少ない。結果として,アドレスの時にできていた前傾姿勢が,伸び上がってしまう。左の股関節を柔らかくしておいて,左の股関節に体重が乗ってくれさえすれば,前傾姿勢のままで軸を中心とした回転運動ができて,クリンと回ります。

 スクワットを10回やってみて下さい。手を伸ばした状態でスクワットすると,背筋,腹筋に負荷が1.5倍かかります。立って手を伸ばして下さい。上腕で耳をふさいでみて下さい。伸ばした状態で,足を肩幅に広げてスクワットします。10回続けて下さい。

1日5分,3週間で5打は縮められる

 こういう部分を日常生活に取り入れて,昔の可動領域を戻していただいて,5分間,毎日3週間していただくと,5打は縮みます。

 最後になりましたが,「魔法のチョウチョ」,これは上達ステッカーです。ドライバーのヘッドに貼ってみて下さい。ヘッドにチョウチョが止まっているとイメージし,チョウチョが逃げていかないようにバックスイングします。すると,見事に理想的なトップオブスイングに収まります。ここからは打とうとしないで下さい。我慢して下さい。トップで何もしない,我慢したらヘッドはここ(頭部後方)にいるんです。ここからギュッ,クリンと回すだけです。驚くほど飛距離が伸びます。ぜひともお試し下さい。

 またお会いできるのを楽しみにしております。本日はどうもありがとうございました。