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2010年9月10日(金)第4,317回 例会

ゴルフの発祥地セント・アンドリュース

秋 山  真 邦 氏

ゴルフ写真家 秋 山  真 邦 

同志社大学卒業。ゴルフの聖地セント・アンドリュースに魅せられて撮影に訪れること数十回。編著作に「ゴルフのふるさとを訪ねて セントアンドリュース」「伝統のゴルフトーナメント・全英オープン」「広野ゴルフ倶楽部」など多数。セント・アンドリュース・ゴルフクラブ,神戸ゴルフ倶楽部。京都ゴルフ倶楽部など多数倶楽部会員。

 初めてセント・アンドリュースへ行ったのが1985年で,今年で四半世紀,25年たちました。今年は5月と7月に行き,7月は全英オープンで石川遼選手らが目の前で練習しているのを見ながら,写真を撮って参りました。

 スコットランドへ行かれた方はおられると思いますが,エジンバラ空港からセント・アンドリュースまで車で1時間半ぐらい。その間に牧歌的な景色が延々と続きまして,羊がいたり,のどかないい雰囲気なんです。

 スコットランドは,ご存じのようにイギリスのずっと北のほうのエリアなんですが,最高気温が25度ぐらい。冬は5度もあります。海沿いで非常に暖かい町。風さえなければ,夏も冬も非常に過ごしやすい感じがします。

 セント・アンドリュースという町の100年前,200年前の古い絵が残っていますが,全く景色は変わっていません。昔のものを大事にしているという国民性が感じられます。

 セント・アンドリュースの名称は,キリストの12使徒の1人聖アンドレに由来しています。

 ゴルフコースは,上から眺めた場合はデコボコがないようなフラットなイメージですが,17番のフェアウェイを見ますと,かなり昔の海からの隆起なので,自然のデコボコがあります。ここにボールが行ったときにどっちに跳ねるかというのがセント・アンドリュースのゲームの1つかもしれません。

あこがれのオールドコース

 セント・アンドリュースはコースが1つしかないようなイメージですが,オールドコース,ニューコース,ジュビリーコースのような18ホールのコースが6つと,バルゴブという9ホールだけのバンカーも何もない小さいコースが1つあります。

 このオールドコースを回るのを世界中のゴルファーがあこがれるのですが,実際向こうに行きますと,地元民はオールドコースは混むので,あえてほかのコースに行くということもあります。バルゴブという9ホールのコースでは,小さな子どもとおじいちゃんや,お母さんと娘さんという組み合わせをよく見かけました。

 彼らにとっては,ゴルフは単なるスポーツというよりも,技術を教えるとともに,先輩の人たちと回るときには静かにしなさいとか,ごく当たり前のマナーですが,それを小さいときから学ぶところにもなっています。この国では,ほぼ100パーセントに近い状態で,小さいときにゴルフに接します。その上でゴルフという文化が世界中に伝播したことに,彼らは非常に喜びを感じているというふうに思います。

ウサギが大事な役目

 フェアウェイの随所には,ゴース(和名ハリエニシダ)という潅木があります。4月ぐらいから6月ぐらいまで,黄色い花を咲かせます。地元では春を告げる代表的な花になっています。近年は2月末に咲き始めまして,温暖化がスコットランドのような寒いところにも影響している気がします。

 ゴースには長いとげがありまして,ボールが見つかればアンプレイアブルでドロップできますが,奥に入るとロストボールになりますので,打ったところに打ち直しに戻らなくてはいけません。全英オープンなんかでこういうところに打ち込むと,プロについたキャディが必死になって探しますが,見つからないととんでもないペナルティになります。

 ゴースはウサギの住みかになっています。ここのウサギは柴犬ぐらいの大きさがありますが,臆病でして,ゴースの潅木の中に住んでいます。とげがあって,人間は中に入っていけませんが,このウサギは夜行性で,昼間はこの中に隠れていて,朝夕,夜に走り回っています。

 このウサギがフェアウェイのど真ん中とかラフに穴を開けまして,この穴というのは直径が約10センチ。これはゴールのカップとほぼ同じ大きさで,深さも20センチぐらいの穴を掘るんです。

 実は,この穴がゴルフの発祥に大事な役目をしてくれたのです。スコットランドで,羊飼いの子どもたちが,暇なときに穴を目がけて石を打ったという記述があります。この穴があったことによって,目標物ができたわけです。ゴルフは,穴にボールを入れるというゲームです。

 ゴルフをスタートさせた大事な穴の原点は,このウサギ君の功労かなと思っています。

日曜日は休み

 オールドコースのスタートのところに日曜日に行きますと,「Old Course Closed」という標識を見ます。世界中のコースで日曜日が休みというのは,多分オールドコースだけだと思います。

 宗教改革のころに,日曜日は安息日だからゴルフ場ではなくて教会に参りましょうということで,今でも名残りとしてこれが残っています。  ここを日曜日に使うのは特殊な例で,全英オープンの最終日であるとか,非常に大きなトーナメントとか,そういうときだけ特別に許可します。基本的には日曜日は全部クローズです。

 また,鉄道の開通とゴルフの発達,ゴルフ場の数には密接な関係があると言われています。イギリスの国鉄の発達とともにセント・アンドリュースにも人が来て,同じようにゴルフも伸びました。

 今日,ゴルフは発展しており,こういう楽しみごとは,交通機関とか,いろんなものが加わって大成功したかなと思っています。

 本日はありがとうございました。