大阪ロータリークラブ

MENU

会員専用ページ

卓 話Speech

  1. Top
  2. 卓話

卓話一覧

2008年11月7日(金)第4,231回 例会

留学生活を振り返って

多 田  将 晴 氏

RI2660地区2006~07年度
ロータリー財団国際親善奨学生
多 田  将 晴 

1982年生まれ。’04年大阪大学工学部環境工学科卒業。’07年同大学院卒業(大学院在学中,アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校留学)。現在:ダイキン工業グローバル戦略本部。

 私は,千里メイプルRCより推薦を受けまして,第2660地区2006~07年度の国際親善奨学生としてアメリカに留学しました。留学するときは,大阪大学大学院工学研究科で環境工学を勉強しておりました。留学先はカリフォルニア大学アーバイン校,現在はダイキン工業のグローバル戦略本部というところで働いています。

 留学先のアーバインはロサンゼルスとサンディゴのほぼ中間にあり,人口は約20万人,非常に平和な町です。留学していたのは5320地区のニューポート・アーバインRCでした。

 ロータリーの例会でスピーチをしました。日本の名所の写真を中心に,日本や大阪の紹介をしました。日本でアンケートした,日本に留学している外国人から見た日本の印象(留学前と印象の変化)について発表しました。

私が中学1年のときに阪神大震災があって家が半壊になったのですが,そのときの写真も発表しました。

日米大学生活の違い

 アメリカに留学してわかったことを紹介します。

 クラブ活動はだれにでもオープン。私はずっとテニスをやっていましたので,テニス部に入りました。新年度になると全員に募集をかけるので,誰でも入れるような感じになっています。日本では新入生だけの勧誘ですので,2年,3年,留学生は入りにくいです。

 大学構内は無線LANがあって,授業中にパソコンでノートを取る学生がたくさんいました。授業中にノートパソコンを持ち込んで,先生の言っていることを打ち込む,あるいは先生がボードに書いたものを打ち込んでいました。日本では見たことがなかったです。

 アジア系の学生が多かった。アジア系というのは,中国,台湾,香港で,アメリカで生まれているので祖国のことを知らないので,1年間の交換留学をする学生が非常に多かったです。アジア系の学生がこの大学の6割から7割を占めていました。

 それから,ABC,ABK,ABJという言葉をよく聞きました。「Is she ABC? 」とか「She is Banana.」というふうに言います。ABCというのは「American born Chinese(アメリカで生まれた中国人)」のことで,中国語が話せない人が多い。ABKはアメリカで生まれた韓国人。ABJはアメリカで生まれた日本人です。

 「She is Banana.」というのは,最初何を言っているのかわかりませんでしたが,バナナは外の皮が黄色い,皮をむくと白いということで,外側は中国人,中身は英語しかしゃべれない。「バナナがいっぱいいるね」という会話があったりしました。

 大学のトレーナーやTシャツをキャンパス内で着ている学生が多い。日本では大阪大学とか書いてある服を着る人は余りいないと思いますが,向こうではそれが当たり前のように着ていました。

 カフェテリア(学食)が食べ放題でした。この大学だけかもしれないですが,ハンバーガー,パスタ,アジア系の料理,デザートにアイスクリームもありました。大きい人が多かったですが,大学時代から太り始めるのかなと思ってしまいました。

 1年生のほぼすべてが学校内の寮で生活していました。2年生からも,ルームシェアをして,親元にいる人はほとんど見なかった。

 飲み会の習慣がないのが不思議な感じがしました。大体がホームパーティで,ルームシェアしている学生もかってに入ってすぐ友達になって遊ぶ。

 ハンバーガーの味もいろいろあって,日本のものよりはおいしいなと思いました。ずっと生活しているうちに,これにはまってしまいました。

 プロテイン。向こうは大きい体の人が多いのですが,友達の家に行くと大体プロテインが置いてあって,筋トレしてプロテイン飲んで体を鍛える。

ごみは圧縮して廃棄

 環境工学専攻ということで,そういうことも少し紹介したいと思います。

 アメリカのごみ処理施設を見学に行く機会があったのですが,焼却処理をせず,圧縮してそのまま廃棄します。アメリカ全土で言えることではなく,カリフォルニアのアーバイン地区のごみはそのように処理されていました。そうすると地下からガスが出てかさが低くなるので,またごみを捨てる。最後に土をかぶせて終わりという感じでした。

 ごみの山も意外と臭くもなくて,きれいなイメージがありました。土をかぶせた後は緑なども植えられて,パッと見てごみ処理の山とは思えないぐらいのところでした。

 先ほど言いました,外国人留学生が日本で気づいたことのアンケートを紹介します。

外国人の持つ日本の印象

 ・ ウオッシュレット・ 用をたした後,何かボタンを押したら出てきたと言って,ビショビショになったマレーシアの学生がいました。

・ 地震があまりない・ 日本では,毎日か毎週ぐらい地震があると思っていた学生もいました。彼は地震を経験することなく帰りました。

・高齢者が多い・ 電車などに高齢者が乗っているのが珍しいということでした。

・ 公共交通機関が便利・家庭で寿司を食べない・英語をあまり話さない

・ 田んぼがたくさんある・ 日本では,電車なり車に少し乗れば田んぼがあります。

・ 自動販売機とコンビニエンスストア・ 外国人留学生はコンビニを好きになって帰ります。深夜に行ってパッと買える,便利だと言ってました。

・普段着物を着ない。

 留学を通して,ロータリークラブのネットワークの強さ,すばらしさというものを感じました。アメリカ留学中はロータリーを通して非常に多くのすばらしい友達ができました。