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2006年1月6日(金)第4,097回 例会

新しい年を迎えて私の思い

太 田  房 江 氏

大阪府知事 太 田  房 江

1975年3月東京大学経済学部経済学科卒業。同年4月通商産業省入省。'92年同省生活産業局住宅産業課長,'94年近畿通商産業局総務企画部長,'96年通商産業省産業政策局消費経済課長。'97年岡山県副知事,'99年通商産業大臣官房審議官(消費者行政担当)。2000年大阪府知事。

 2006年が幕を開けました。私は2と6というのがラッキーナンバーです。私の誕生日は昭和26年6月26日という大変いい数字なんです。ことしの2006年は絶対大阪・関西にとっていい年になると思っています。

 私が知事になった2000年(平成12年)という年は大変な年で,有効求人倍率が0.49とか0.51という数字でしたし,2001年に入りましてからも,完全失業率が大阪府だけとると8.9ぐらいまで行きました。2002年が底で,だんだんよくなりました。昨年の有効求人倍率は,13年数カ月振りに1を越えてそのまま6カ月~7カ月持続しております。着実に景気は回復してきています。

「大阪の勢い賑わい2006」

 2006年の新年互礼会で書いたことしの一句,「大阪の勢い賑わい2006」。大阪と関西,京阪神が緊密に連携をとって東京一極集中に対抗し,アジアの中で光り輝く都市権益をつくっていかなくてはならないと思っています。

 本当に厳しい何年かを過ごしてきて,ことしは,お陰さんでというところまで来たと思います。大阪弁下手だからしゃべるなと言われていますが,大阪弁でいい言葉があるな,と思うのがいっぱいあるんです。この「お陰さんで」というのもとてもすばらしい言葉だと思います。皆様のお陰でここまでやってまいりました。私自身もそうですが,皆様のお陰で関西の景気もここまで来ましたという感じがしております。私も元気になる関西の先頭に出させていただければと思います。

 こうなりましたのも民の力によるところが大きいわけですが,大阪府で仕事をしていますと,中小企業対策,庶民の弱き者のセーフティーネットに大変気を使います。私は着任以来,中小企業の方々に「大阪で頑張ってよかった」と思ってもらえるような,そういう基盤をつくりたいという思いで,成長性のある企業への無担保・無保証人の融資をはじめとして,いわゆるリレーションシップバンキングということに力を入れてきました。そういうことがある程度下支えとなって,今日の回復に至ったのではないかと思います。

 工場立地も随分よくなってきました。大阪の工場立地件数は近畿の中の7%,8%というのがやっとの時代が長く続きました。平成16年は近畿で203件の工場新規立地がある中で大阪は47件,23%を占めました。この背景に大阪府が平成15年に導入した「事業用の定期借地権方式」があります。りんくうタウンを初めとした府の工業用地に導入しました。今は市町村と協力をしながらこの制度を活用しています。

 日銀短観のDI値(景況判断指数)でも,大阪では平成15年の初めぐらいから全国を上回る業況判断が示されるようになりました。日銀の直近10月のレポートを見ると,全国9地域の中で,近畿だけが拡大,90度に上がる矢印が示されていました。それを見て本当にうれしかったです。先ほど「勢い,賑わい2006」と申し上げましたが,16年に入って力強さが出て,17年,18年に勢いがついて賑わいに変わる,そういう節目の年にことし2006年はなってくれるだろうと信じております。消費も結構いいようです。百貨店の販売額は直近の数字が2005年の10月ですが,全国が0.5%減で近畿は2%伸びています。

スポーツ,文化の年にも

 2006年は経済だけではなくて,スポーツ・文化の年にもなります。阪神タイガースも最後まで頑張ってくれると思います。ガンバ大阪の宮本選手が代表を務める2006年ワールドカップも期待できます。文化のほうも,文楽と能楽に続きまして歌舞伎がユネスコから世界文化遺産に登録されました。5月には世界バラ会議があります。来年には関空2期工事の供用開始。2006年2月には神戸空港の開港がありますし,関西のいろいろ賑わいのもとになる装置が動き出します。

関西でサミットを

 関西サミットをということで,京阪神の3知事で頑張っています。これから,サポート組織をいろいろつくっていくことになります。財界の方にも大いに協力をしていただきたいと思います。

 大阪の売り物は「快適と安全」です。7月にグレインイーグルズサミットを視察してきました。そこのゴルフ場にG8が閉じ込められて会議をしたわけです。ニューヨークでのテロ以来,とにかく安全が一番という時代のサミットになってきました。シーアイランドはちっちゃい島です。それから,エビアン,カナダのカナナスキス。警備がしやすいということが一番のサミットが,9.11以降3~4回続いてきたわけです。

 これからも警備が一番にはなります。しかし,G8の中でアジアでやるサミットは日本だけです。欧米はいつも行ったり来たりしていますから,文化もすぐわかります,伝統もすぐわかります。しかし,アジアは,理解していただける機会に一生懸命PRをしないといけないと私は思います。都市型でありながら安全快適のサミットを関西でやるべきではないか,このように思って立候補をしました。周囲を川に囲まれて警備もしやすいけれど,都市の雰囲気と文化と歴史の感じられる中之島しかサミットをやれる場所はないのではないかと思います。

 2008年は北京オリンピックがあって,2010年には上海万博があります。アジアの時代が続く中で,2006年,07年,08年,09年,10年,アジアの中の光り輝く都市として,都市圏として,大阪・関西がその存在をさらに高めていけるようにこの地で頑張っていきます。