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2004年2月6日(金)第4,010回 例会

アフガニスタンの現状と展望

斉藤 真美子 氏

(社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン海外事業部員 斉藤 真美子

東京外国語大学中東語学科卒業。日本工営(株)国際事業本部営業部にてODAにかかる開発プロジェクト調整業務に従事。英国イースト・アングリア大学院開発学部開発と教育学科専攻後,開発コンサルタント調査補助,UNHCRインターンを経て,03年3月~04年1月アフガニスタン駐在。

 私は1年ほどバーミアンに駐在して教育支援の事業を行ってきました。もっとアフガニスタンについて知っていただくとともに,皆様から頂いたご寄付がどのように使われているのかなどといったことをお話します。

アフガニスタンへの旅

 アフガニスタンは6か国に囲まれた内陸にある農業国で,面積は日本の約1.7倍です。首都カブールは標高約1,800mにあります。子供たちはみんなピスタチオを売るなどして,一生懸命に働いています。いたるところで戦争の傷跡が残っています。地雷や不発弾が残り,建物が壊れたままになっています。

 下水の排水施設がないので,庶民の家のお手洗いには悪臭が漂っています。もてなしの心を大事にする国民で,家に招かれると,ご馳走をたくさん出してくださいます。アフガニスタンの料理は油と塩などで味付けされ,ご飯も油と塩を入れて炊きます。

 アフガニスタンの女性の平均寿命は44歳です。適切な衛生教育が受けられず,内戦も続いていることから,このような寿命になったと言われています。15歳以上の女性の識字率は16%。1,000人のうち17人は,出産中に亡くなるという厳しい状態にあります。

 タリバンの時代は音楽や歌は禁止されていましたが,戦争が終わってからはカブールで結婚ラッシュが続いています。こういうパーティーの席では,女性はブルカを被っていても,お化粧をしています。

 カブールからバーミアンに行くには,車で8時間ほど山道を走ります。途中には戦車などが放置されています。バーミアンの仏陀はタリバンによって破壊され,ユネスコが修復しているところです。

 男性はターバンという布を巻いています。カブールと同じように,子供は仕事をしています。薪ストーブでお湯を沸かし,水で薄めてお風呂に使います。私も零下10度ぐらいのところで,このストーブを使っていました。

 アフガニスタンの子供は4人に1人が,様々な病気で5歳前に亡くなります。小学校の就学率は男の子が39%,女の子は3%です。

 自然が厳しいうえ,苦労,苦難が多いことから,若い女性でも年をとってみえ,肌は荒れています。私が握手をした女性の手は,亀の甲のように荒れていました。

 シバトゥーの小学校は,大阪ロータリークラブの皆様のご支援で修復することが出来ました。開校式では,女の子はカラフルな服を着ていました。

 経済的な事情で学校に行けず,家庭で絨毯を織っている子供もたくさんいます。年をとった女の子は家の外に出ることを許されないので,さよならをする時は窓から手だけを出して,振ってくれました。

私たちの活動

 20年間の戦乱で,ほとんどの学校は壊され,子供たちはテントで勉強しています。セーブ・ザ・チルドレンン・ジャパンは学校の建設や修復をしています。大阪ロータリークラブの皆様からのご寄付は頂きますが,そのお金に加えて,住民にもレンガを作ってもらったりワラを提供してもらったりします。与えるだけの援助ではなく,住民と一緒にやっていくことが大切だと考えています。学校を作るだけでなく,中身の支援も必要だと思っています。長引く内戦で,ほとんどの教師は専門的な教育を受けたことがありません。そこで,地方の女性教諭に研修を行い,「非常によかった」と言ってもらいました。アフガニスタンでは,人口2人に1つの割合で地雷があると言われています。そこで,子供たちには,地雷の危険性やどのように行動すればいいかということを紙芝居を使って教えています。タリバン時代には,女子教育が禁止されていたので,ほとんどの女性は字を読めません。女性たちは,薬の表示も店の看板も分からないので,是非とも読めるようになりたいと言っています。

子供たちの笑顔と未来

 子供たちは「誰がこの国を武器と血で破壊したのだ。僕はペンと汗で,この国を再建したい」などと話していました。

 私はアフガニスタンに行く前は,荒涼とした大地を想像していました。そして今は,様々な苦労を耐えて生き抜いてきた人々のことと,子供たちの笑顔,未来が思い浮かびます。

 私たちのバーミアンの現地スタッフのほとんどが,家族か親せきの誰かを殺された経験を持っています。しかし,その中でも悲しみを乗り越えて生きようとしている人々がいるということを忘れないでいることが非常に大切だと思います。

 セーブ・ザ・チルドレンは大阪ロータリークラブの皆さんのご支援を受けて活動してきました。シバトゥーの子供たちは,学校にある石碑を指さして「大阪ロータリークラブの支援で出来た学校だ」と喜んで話してくれました。子供たちに代わって,お礼を申し上げます。

 アフガニスタンの治安はまだ不安定ですが,希望は子供たちの未来です。人口の半分は戦争しか知らない18歳以下です。彼らがこれから成長して,国を作っていく時に,私たちはどのように支援していけるのか。日本の子供もそうですが,社会の未来を作る子供たちを支援するのは,私たち大人の責務だと思っています。今後とも,セーブ・ザ・チルドレンにご支援を賜りますようお願いします。