会 員

平 岡  龍 人 君(教育)

1940年大阪市生まれ。’64年甲南大学法学部卒業後,(学)清風学園教諭,副校長,専務理事を経て,2001年(学)清風明育社理事長,清風情報工科学院校長,現在に至る。1980年には大阪青年会議所理事長。2000年より,60の手習いで,仏教大学大学院に入学,修士課程を修了し,現在博士号取得。1981年当クラブ入会。クラブ内ではインターアクトや米山の委員長,’97年には理事・青少年奉仕委員長,2004年クラブ会長。PHF・米山功労者。

 本日は,発足して48年目となる全日本高等学校ギター・マンドリン音楽振興会の話をさせていただきます。振興会の取り組みについて,お話できる機会を頂き,感謝しています。
大阪RCの志が生んだ音楽振興会
 この振興会が発足した当時の教育界を取り巻く現状を皆様,覚えていらっしゃるかと思います。高度経済成長期に入っていましたが,日教組の力が非常に強く,いろんな口出しをしていました。
 大阪RCの会員でした鈴木剛さんが「こうした状況を放っておいたらいかん。何とか教育を立て直したい」という危機感を抱かれ,振興会を立ち上げました。当時の佐伯勇・大阪商工会議所会頭はじめ,住友銀行,三和銀行,大和銀行,太陽神戸銀行,関西電力,大阪ガス,サントリー,松下電器産業の頭取,社長,会長など,ほぼ大阪RCの主要メンバーが名を連ねました。大阪RCの志からできたようなものです。
 あれからほぼ半世紀。大阪の経済は当時に比べて,数倍の大きさに成長しましたが,日本経済全体では7〜8倍に拡大しました。残念ながら,今,経済界の支援は少なくなっています。それでも大阪RCの会長を務められた錢高一善会員,江崎勝久会員,伊藤勲会員,奥田務会員,それから鳥井会員,Sommerhalder会員といった方々からの支援は今も続いています。心より感謝しています。
 大阪の経済発展には,文化,教育が非常に重要です。もともと大阪は文化,芸術の情報発信の拠点として,日本のみならず,世界経済に貢献してきました。文楽は言うに及ばず,歌舞伎,能楽,落語もしかり。落語は桂米朝をもって嚆矢とする。ほんまにすばらしい落語をされました。
 ところが,どうも最近は,大阪の文化といえば「たこ焼き」のイメージになってしまっているようです。しばらくすると「カジノ」になるのではないですか。経済的に見れば,それも一つの方法ですが,街の品格を決めるのは,文化や教育です。ロンドン,パリ,ベルリン,ニューヨーク。世界を見渡すと,経済活動の中心都市がおしなべて芸術都市になっています。そういう現実も踏まえ,ぜひとも大阪を文化,芸術で再開発してもらいたいのです。
 にもかかわらず,大阪府・大阪市は「行政改革」を掲げて,文化,芸術への支援を中止してしまいました。その結果,大阪の公立校への教員志望者が極めて少なくなっています。大阪府・大阪市の役所にも優秀な人材が集まりにくい。公立校の学力がどんどん下がっているのはご存じの通りです。長期的に大阪はますますその地位を失ってしまうのではないかと心配しています。
教育はいかに熱心な先生を育てるかだ
 現在,全国の高校大会,いわゆるインターハイは大体持ち回りで場所が次々変わっていくのですが,拠点を固定しているのが4つあります。阪神甲子園球場で開催される春・夏の野球,春に福岡で開かれる硬式テニス,そして大阪で行われる全国高等学校ギター・マンドリン音楽コンクールです。
 もともとは大阪市での開催でしたが,芸術への支援を止めたため,現在は吹田市で開催しています。毎年全国から2,000人以上の学生が集まり,大臣賞,知事賞,市長賞等,賞がたくさん出ます。ギター・マンドリンは40人から50人の大合奏で,今年も本当に迫力に満ちたすばらしい演奏がありました。
 何よりもすばらしいのが,指導する先生の熱心さです。やはり,教育は熱心でないとだめですね。教育をレベルアップする秘訣は,いい先生,つまり熱心な先生を集めることです。ギター・マンドリンは非常に熱心で優秀な先生がたくさんいるので,毎年技術が向上しています。教育の要諦は,授業料をタダにすることではありません。熱心な先生をいかに集め,育てるかにかかっています。
大阪の文化や教育,芸術に支援を
 せっかくの機会をいただいたことを感謝しまして,3校の演奏をお聞きいただきます。そのすばらしさの片鱗を感じ取っていただければうれしく思います。

(ビデオ)(2016年度コンクールより)
同志社香里中学高校マンドリン部
♪チャイコフスキー作曲・交響曲第5番ホ短調 第4楽章

慶應義塾高校マンドリンクラブ
♪ドリーブ作曲・Sylviaより 第1.3.4楽章

大妻高校マンドリン部
♪樽屋雅徳作曲・マゼランの未知なる大陸への挑戦

 ご清聴ありがとうございました。私はギターもマンドリンも全然できませんので,応援団を育てることに力を注いでいます。健全な青少年の育成は,日本の将来に決定的な影響を与えます。音楽は,集中力を生み,記憶力を育て,そして感性を育てます。「感性が大事だ」と最近,ひんぱんに耳にします。なぜでしょう。その感性が判断力を育てるからです。判断力の正しい人がリーダーになります。感性,つまり判断力こそ,経営者の最低の資質です。
 ぜひ,感性豊かな大阪RC会員の皆様に支えられ,大阪を再び活気ある街にしたいです。振興会も,さらに多くの方々の支援をいただきながら,大阪の発展,真の日本の発展のお手伝いできることを願っています。差しさわりのあることを言ったかもしれませんが,仏の顔に免じてお許しください。





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